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高市政権の経済政策、企業の4社に3社が「期待」 17の戦略分野では「AI・半導体」がトップ

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 帝国データバンクは、2025年10月21日に発足した高市早苗新政権が掲げる経済関連政策について、企業へアンケート調査を実施した。

  • 調査期間:2025年11月7日~11月11日(インターネット調査)
  • 有効回答企業:1,491社

 高市政権が掲げる経済政策について、日本経済への効果を期待している企業は75.7%と、4社に3社にのぼった。なかでも注目度が高い「ガソリン税・軽油引取税の暫定税率の廃止」を期待している企業は80%超、「“年収の壁”引き上げ」は60%超だった。17の戦略分野のうち、最も期待が寄せられたのは「AI・半導体」で約70%。「防災」や「サイバーセキュリティ」、「資源保障」などリスク対策分野も上位に並び、不確実性への備えを重視する企業姿勢が鮮明になった。

17の戦略分野への期待、「AI・半導体」が約70%でトップ

 政府は20205年11月4日、「日本成長戦略本部」の初会合を開き、「危機管理投資」と「成長投資」による強い経済の実現のための17の戦略分野への重点投資方針を決定した。このうち、日本経済に特にプラスになると期待する分野を尋ねたところ、「AI・半導体」が69.2%で最高だった(複数回答、以下同)。幅広い産業における効率化や革新をもたらすAIとデジタル産業の基盤であり、かつて世界を席巻した日本製の半導体への期待度が突出する結果となった。

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 次いで、「防災・国土強靱化」(53.9%)が50%超、「デジタル・サイバーセキュリティ」(48.2%)、「資源・エネルギー安全保障・GX」(46.4%)などリスク対策分野が40%台後半で続いた。

 また、「情報通信」(42.8%)および「量子」(40.1%)といった、デジタル基盤と次世代の基盤技術を担う分野も上位に並んでいる。さらに、地政学的リスクの高まりを背景に、「防衛産業」(37.2%)は40%近くとなった。

 一方で、「フードテック」(23.9%)や「港湾ロジスティクス」(23.7%)、「海洋」(22.8%)など、ある程度業界が限定されたり、現時点での注目度が比較的低かったりする分野のほか、実用化まで時間を要すると考えられる「フュージョンエネルギー(核融合)」(20.9%)は20%台にとどまった。

企業の4社に3社が新政権の経済政策に期待

 高市政権が掲げる経済政策について、全般的にみて今後の日本経済にとって期待しているか尋ねたところ、「期待している」と回答した企業は75.7%と、4社に3社が期待を寄せる結果となった。他方、「どちらともいえない」は18.4%、「期待していない」は5.6%だった。

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 企業からは「日本経済が停滞しているなか、積極財政や日本の強みを生かす戦略が必要だと考えられ、それを意欲的に打ち出している新政権に期待」(教育サービス)など、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」の効果を期待する声が複数寄せられた。

 また、「新政権の実行力とスピードに対して大いに期待している」(専門商品小売)など、迅速な政策遂行を熱望する様子もうかがえた。ほかにも、「経済を強くする、日本を復権させる意欲が強く感じられる」(鉄鋼・非鉄・鉱業)や「さまざまな問題点への解決策が、わかりやすく示されるようになったと感じる」(専門サービス)といった評価が見られた。

 一方で、「AI活用による人手不足解消に期待するが、事業実施にあたり、予算をどうするかが問題と考えている」(メンテナンス・警備・検査)など、財源面への懸念も示された。

注目の経済政策への期待、「ガソリン等暫定税率廃止」は80%超、「年収の壁引き上げ」は60%超

 高市政権が掲げる経済政策のなかでも特に注目される「ガソリン税・軽油引取税の暫定税率の廃止」および「“年収の壁”引き上げ」について、今後の日本経済にとって期待しているか尋ねた。

 「ガソリン税・軽油引取税の暫定税率の廃止」を「期待している」企業は82.1%と8割超にのぼった。企業からは、「暫定税率が廃止されれば、すべての層が平等に恩恵を受けることになり、経済全体にとって好ましい方向へ進むと考えられる」(放送)や、「輸送コストが下がることで、ものづくり分野における仕入価格の高騰をある程度抑えられるのではないか」(機械製造)といった声が寄せられている。

 一方で、「政策としては良いが、代替財源が示されていないのがとても気になる」(情報サービス)のように、財源確保に対する懸念の声があがっていた。

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 次に「“年収の壁”引き上げ」を「期待している」企業は65.1%だった。この政策では「どちらともいえない」が27.6%となった。「期待している」企業からは「年収の壁の引き上げは、早急に実施してほしい。当社のパート従業員も最低賃金の引き上げの影響で、扶養の範囲内に収めるために勤務時間を短縮しているが、こうした対応は現状にそぐわないと考えている」(機械・器具卸売)といったコメントがあがった。

 一方で、「所得税の年収の壁を引き上げても、“社会保険の壁”や“住民税の壁”についても手当てしなければ、課題の解消にはつながらない」(自動車・同部品小売)のように、制度全体の見直しを求める声も聞かれた。

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AIdiver編集部(エーアイダイバーヘンシュウブ)

「AIdiver」(エーアイダイバー)は、株式会社翔泳社が運営する、企業およびビジネスパーソンのAIの利活用にフォーカスしたメディアです。経営、ビジネス、日々の業務をAIで変革したい「AIリーダー」の皆さまに役立つコンテンツを発信します。

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