SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

AIdiverニュース

AMDが目指すAI PC・フィジカルAI領域での地位確立 JR九州・SUBARUで実装進む

  • Facebook
  • X
  • note

  • Facebook
  • X
  • note

 日本AMDは2025年12月3日に「AMD Advancing AI 2025 Japan」を開催した。同社エグゼクティブらが登壇したラウンドテーブルでは、AI PC市場の成長予測、ハイブリッドAI(HAI)への移行、そしてリアルタイム処理が鍵となるフィジカルAIの最前線について詳細が語られた。

 日本AMD 代表取締役社長のジョン・ロボトム氏は、AIが急激に浸透する中、「AMDのテクノロジーは多様な領域で既に搭載され、活用されている」と現状を語った。その上で、企業がAI活用を推進するフェーズでは「各デバイスだけではなくエコシステム全体で取り組む」ことの重要性に言及。AMDがAIの活用環境全体に貢献していく姿勢を示した。

日本AMD株式会社 代表取締役社長 ジョン・ロボトム氏
日本AMD株式会社 代表取締役社長 ジョン・ロボトム氏

「ローカルでもAIを使う」が当たり前に CPUのAI性能10倍へ

 日本AMD 副社長の関路子氏はAI PCにフォーカス。「間違いなく伸びる」と期待の色を見せた。

日本AMD株式会社 代表取締役副社長 兼 アジアパシフィック クライアントビジネス ディレクター  関路子氏
日本AMD株式会社 代表取締役副社長 兼 アジアパシフィック クライアントビジネス ディレクター 関路子氏

 大規模なAIモデルが、今やモバイル端末でもローカル環境で動作するほどの進化を遂げている。関氏は「これから1年、2年、3年で爆発的にAIの性能は上がる」との見解を示し、企業がAI活用を加速させる上で、データをローカルで扱うことの重要性が増すと指摘した。

 AMDは、2022年から2027年にかけてCPUのAI性能を10倍以上に引き上げることを計画している。これにより、AI PCの進化からHAI(ハイブリッドAI)戦略の実現を加速させる。関氏は、ローカルでAIを動かすことの価値として、プライバシーやセキュリティの確保を強調。「AIの実行環境はクラウドからローカル、またはそのハイブリッドな形へと変わりつつある」と説明した。

フィジカルAIを推進するAMDの独自技術

 AIの活用領域は、現実世界と物理的に結びつくフィジカルAIへ拡大している。日本AMD APAC エンベデッド・セールス ジャパン カントリーディレクターの杉山功氏は、「今後10年間で自動運転車、ロボティクス、ドローンなど数十億台規模のスマートデバイスが世の中に実装される」と述べた。

日本AMD株式会社 APAC エンベデッド・セールス ジャパン カントリーディレクター 杉山功氏
日本AMD株式会社 APAC エンベデッド・セールス ジャパン カントリーディレクター 杉山功氏

 フィジカルAIがクラウドAIと決定的に異なるのは、その処理要件である。杉山氏は、クラウドが主に「学習」や「推論」に特化していたのに対して、フィジカルAIでは、ミリ秒単位のリアルタイムで「認識」「判断」「実行」のプロセスを処理しなければならないという。

 フィジカルAIにおけるこの複雑なリアルタイム処理をAMDが実現できる背景には、同社が持つ統合された技術と独自のソリューションの強みがある。これにより「認識」「判断」「実行」のプロセスをすべて最適化できるとのことだ。杉山氏は日本市場での具体的なAI活用事例を紹介し、フィジカルAIとの親和性の高さを強調した。

  • JR九州:AIを活用した線路の点検作業で、高度な画像処理とAI技術により、ボルトの緩みや線路の異常を自動で検知・点検できるシステムが構築された。これは、現場の作業効率と安全性を高めるユースケースである
  • SUBARU:自動車のADAS(先進運転支援システム)である「EyeSight(アイサイト)」に、AMDのアダプティブ コンピューティング技術が活用されている。SUBARUが掲げる「2030年に死亡事故ゼロ」という目標の達成に向け、最先端のセーフティ機能を実現している

 AMDは、今後もポートフォリオ全体でAIの進化を推進し、企業が直面する多様なAIワークロードに対応していく構えである。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
この記事の著者

AIdiver編集部(エーアイダイバーヘンシュウブ)

「AIdiver」(エーアイダイバー)は、株式会社翔泳社が運営する、企業およびビジネスパーソンのAIの利活用にフォーカスしたメディアです。経営、ビジネス、日々の業務をAIで変革したい「AIリーダー」の皆さまに役立つコンテンツを発信します。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • note
AIdiver(エーアイダイバー)
https://aidiver.jp/news/detail/274 2025/12/08 12:00

広告を読み込めませんでした

広告を読み込み中...

アクセスランキング

アクセスランキング

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング