オラクルは2025年10月28日、「Oracle Fusion Cloud Applications」に向けた新たなAIエージェントを発表した。このエージェントは、サプライチェーン全体のパフォーマンス強化や業務効率の向上を目的としている。AIエージェントは「Oracle AI Agent Studio」を用いて構築されており、プランナーやロジスティクス・チームが業務自動化や意思決定の迅速化を図ることができる。
今回発表されたAIエージェントは、「Oracle Fusion Cloud Supply Chain & Manufacturing (SCM)」に組み込まれ、計画、製品ライフサイクル管理、調達、保守、製造、在庫管理、ロジスティクスおよび受注管理の各領域で多様な支援を提供する。たとえば、プランニング・アドバイザーは在庫プランナーが計画例外を迅速に把握し、意思決定を加速できるよう支援。製品360アドバイザーは供給の混乱時やリコール時に在庫やオーダーの状況を即座に把握し、対応策を提案する。
また、調達担当向けには、製品や部品の比較レポート作成や、見積から購買申請までのプロセス自動化エージェントが用意されている。保守や製造現場では、不良品の評価や保守作業指示の効率化、在庫不足や資材期限切れ対応を支援するエージェントが新規導入された。さらに在庫マネージャー向けには、事前出荷通知(ASN)作成など物流を簡素化するツールも提供する。
出荷や受注管理分野では、出荷物の規制準拠確認やピッキング・梱包・発送プロセスの効率化、受注データアクセスや例外処理の支援など、現場の作業スピードと正確性向上に寄与するエージェントが追加された。
これらのAIエージェントは「Oracle Cloud Infrastructure」上で稼働し、高度なセキュリティを備える。追加コストなく提供される点も特徴で、既存の業務フローに容易に統合できる。また、ユーザーは「Oracle AI Agent Studio for Fusion Applications」を利用することで、独自のAIエージェント開発や導入も可能である。
計画、製品ライフサイクル管理、調達
- 計画例外と計画ノートのプランニング・アドバイザー
- 製品360アドバイザー・エージェント
- 製品比較アドバイザー・エージェント
- 見積から購買依頼作成エージェント
保守、製造、在庫管理
- 不良品処分アシスタント・エージェント
- 保守作業オーダー作成エージェント
- 在庫不足分析エージェント
- 資材期限切れ分析エージェント
- ASN作成アシスタント・エージェント
ロジスティクスおよび受注管理
- 出荷コンプライアンス・エージェント
- フルフィルメント処理アシスタント・エージェント
- 受注オーダー・アシスタント・エージェント
- 受注オーダーのデータ・アクセス・アドバイザー・エージェント
- 受注オーダー例外アシスタント・エージェント
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AIdiver編集部(エーアイダイバーヘンシュウブ)
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