10月23日、アルサーガパートナーズは、不動産業界で働くビジネスパーソンを対象とした、「生成AIの活用状況」に関する調査結果を発表した。なお調査は、全国の不動産業界で働くビジネスパーソン212名を対象として実施しているとのことだ。
約4割が活用の一方で「関心がない」層も約4割
「現在、あなたの業務の中でどの程度生成AIを活用していますか?」という問いに対し、以下のような回答が得られたという。
- 積極的に活用している:9.0%
- 一部で活用している :24.6%
- 試験的に導入している:7.1%
- まだ活用していないが、関心はある:19.4%
- 全く活用もしていないし、関心もない:39.8%
「積極的に活用している」「一部で活用している」「試験的に導入している」層を合計すると、約4割(40.7%)がなんらかの形で業務に生成AIを取り入れていることがわかる。その一方、「全く活用していないし、関心もない」と回答した層も約4割(39.8%)とほぼ同水準にあり、不動産業界全体として生成AIの活用が進んでいる人と、まだこれからの人で二極化している現状が浮き彫りになったとする。
また、営業職(n=72)と事務職(n=98)について、生成AIの活用状況に差があるのかを比較したところ、以下のような傾向が見られたという。
営業
- 積極的に活用している:18.1%
- 一部で活用している:20.8%
- 試験的に導入している:11.1%
- まだ活用していないが、関心はある:18.1%
- 全く活用もしていないし、関心もない:31.9%
事務
- 積極的に活用している:4.1%
- 一部で活用している:26.5%
- 試験的に導入している:3.1%
- まだ活用していないが、関心はある:18.4%
- 全く活用もしていないし、関心もない:48.0%
この結果から営業職の約5割で活用が進んでおり、事務職では「活用していない」層が約7割と高い水準にあることがわかるとした。
ルール整備やセキュリティ面への不安も根強い
さらに、生成AIに対して不安に感じていることについて尋ねたところ、以下のような結果を得られたとする。
- セキュリティや情報漏洩が心配:17.1pt
- 情報の正確性や信頼性が不安:15.2pt
- 社内での利用ルールが整っていない:11.8pt
- 社員の思考力・スキルが下がるのではないか不安:11.4pt
- 自分の業務が将来なくなるのではないか不安:10.0pt
- 社内で活用できる人が少なく、定着しなさそう:7.6pt
生成AIに対しては、情報漏えいリスクや誤情報の出力、ルール未整備といった懸念が根強い。また「スキルが低下するのでは」「業務が奪われるのでは」といった心理的な不安も一定数存在しているという。
アルサーガパートナーズ コンサルタント シニアマネージャー 窪田俊介氏は、「不動産業界における生成AI活用は進展しつつありますが、その『使われ方』には大きな偏りがあります。不動産業界は今後、人手不足が深刻化していくことがほぼ確実視されており、既存サービスの維持・拡大や新サービス創出のためには、生成AIの力をどう取り込むかが問われています」とコメントしている。
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