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AIエージェントとの120日間~協働から見えた成功と失敗のリアル~

【PM編】本当に使えるAIエージェントの育て方 PoCで終わらせない業務改革3ステップ

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 AIエージェント導入の目的は「単なる効率化」ではない。サイバーエージェントグループのAI Shiftでは、AIエージェントをチームの一員として捉え“人とAIの協働”を目指した挑戦を続けている。プロジェクトマネジメント・マーケティング・営業などあらゆる現場で実際に起きた失敗と改善を通じて、AIエージェントと人が協働するまでの120日間をリアルに追いかける本連載。第2回は、プロジェクトマネジメント業務における「人とAIの協働の実現」にフォーカスする。

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AIエージェントに何を任せればいいの? 答えを見つけられない理由

 当社でいうプロジェクトマネジメント(以下、PM)は、主にクライアントのAI活用におけるPoC(精度検証)や開発を管理する業務です。このような専門性が高い領域は、一見するとAIエージェントの導入が難しいと思うかもしれません。しかし、当社のPM業務を分解していくと「ある構造」が見えてきました。

  • 要件定義(情報収集・構造化)
  • 過去事例の引き継ぎリサーチ
  • お客様に提供するAIエージェントの構築
  • 定例資料の作成
  • 追加提案資料の作成
  • 定例MTG

 つまり、業務の多くは情報収集・構造化・資料作成など、まさにAIエージェントが得意とする部分なのです。ところが、当社は2024年末よりAIエージェントを積極的に導入してきたものの、当初のPMチームはさまざまな壁にぶつかっていました。次のような点について、皆さんも心当たりないでしょうか。

要件定義は「ドキュメントの森」

 1番は、仕様書・議事録・Figma・Notionなどに多くの情報が散在し、AIエージェントが参照すべきデータを見つけにくいという問題です。「正しい情報をどこからもってくるのか」が人間でもわからず、AIエージェントも回答を出すことが難しい状況でした。

AIエージェントに丸投げすると少しズレた要件が返ってくる

 AIエージェントは与えられた情報をベースに回答するのは得意です。一方で、人だからこそ考慮できる 「クライアントの事情をどう織り込むか」など、“暗黙の判断”は難しいといえます。

AIエージェントに仕事を任せるのは抵抗がある

 直接お客様と接しているPMチームだからこそ、AIエージェントに仕事を任せるのに心理的なハードルを感じていました。アウトプットの精度を考慮して、メンバーがAIエージェントに頼れない状況でした。

 では、こうした課題をどう乗り越えたのか。ステップを分けて細かく紹介します。

次のページ
「導入して終わり」を防ぐには……

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AIエージェントとの120日間~協働から見えた成功と失敗のリアル~連載記事一覧
この記事の著者

株式会社AI Shift AIエージェント事業部 チーフエバンジェリスト 及川信太郎(オイカワ シンタロウ)

新卒で株式会社サイバーエージェントに入社。AIコールセンター領域でチャットボット・ボイスボットのセールスリーダーを担当後、プロダクト設計およびCS業務を担う沖縄対話センターの責任者を経て、現在はAIエージェントの導入・活用推進をリード。約90,000人への生成AIリスキリングを講師としても提供。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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AIdiver(エーアイダイバー)
https://aidiver.jp/article/detail/146 2025/11/26 08:00

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