シリコンバレーに新会社「NTT DATA AIVista」設立 実績あるリーダーがCEOに
「AIネイティブな新ビジネスの創出を加速させる」。NTTデータグループ グローバルイノベーション本部 Head of Global AI Officeの本橋賢二氏は、米国シリコンバレーに新会社「NTT DATA AIVista(エーアイビスタ)」を設立した狙いをそう語った。
同社は、既存のSIerの延長線上でAIを活用するのではなく、顧客のビジネスプロセスそのものをAI前提で再構築することをミッションとする。注目すべきは、CEOに就任したブラティン・サハ(Bratin Saha)氏だ。ブラティン・サハ氏はAWSで機械学習サービス担当VPを務め、Amazon SageMakerなどの立ち上げを主導したIT業界のキーパーソンである。
実績あるリーダーをトップに据え、外部から高度な専門人材を登用することで、シリコンバレーの先端技術とエコシステムをグループ全体に取り込む狙いだ。これは、世界的なAI開発競争の中でイニシアチブを握るための戦略的な布石と言える。
「AIリーダー企業」は高収益 グローバル調査に見る勝者の条件
AIへの投資が加速している中で、企業間の格差も拡大している。同社が発表した「グローバルAIレポート」によると、明確な戦略を持ち高度にAIを活用している「AIリーダー企業」は、調査対象のわずか約15%にとどまる。
しかし、そのパフォーマンスの差は歴然だ。AIリーダー企業は、そうでない企業に比べて「10%以上の売上成長」を達成する確率が2.5倍、「15%以上の利益率」を実現する確率が3.6倍も高いことが判明した。
本橋氏は「AIを単なるツールとして使うのではなく、戦略的にビジネスに組み込めているかどうかが企業の競争力を左右する」と指摘する。世界的に「稼げるAI」へのシフトが進む中、日本企業もまた、PoCフェーズを脱し、利益を生むフェーズへの移行を迫られている。
