「考えながら形にし、その場で共有する」という新しいスタイル
発表会では、LINEヤフーと日建設計の活用事例が紹介され、実務での使われ方が具体的に語られた。

LINEヤフーのプロダクトマネージャーの遠山怜欧氏は、毎週の経営会議でGoodnotesを使っている。iPadでマインドマップを描き、ブラウザで共有しながら議論を進めることで「抽象的な発想をその場で形にし、全員が同じイメージを持てる」という。意思決定の場で視覚化が果たす役割の大きさを実感させられる事例だ。

日建設計の祖父江一宏氏は、鉄道駅の公共プロジェクトで顧客との打ち合わせ中に図面へ直接書き込み、素材や形状を即時に提示している。「その場で画像を貼り込み、構想を"物として見せる"ことで、合意形成が速くなる」と話し、AIと無限ホワイトボードが現場の知を共有知に変えるツールになっていると強調した。
両事例に共通するのは、「後で整理する」のではなく「考えながら形にし、その場で共有する」というスタイルだ。従来の「記録→編集→共有」という流れから、「思考→可視化→協働」という流れへの変化。これは単なるツールの進化ではなく、働き方そのものの変化を示唆しているように思える。