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三菱電機のAIドリブン組織変革のリアル アジャイルでイノベーティブな企業へ

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 創業100年を超える三菱電機は、従来の組織文化を大変革し、アジャイル開発と生成AIを取り入れたAX(AIトランスフォーメーション)を加速させている。伝統的な大企業の組織変革を進める中でどう課題と向き合い、どのような思いを持って進めているのか。三菱電機でAX推進を進めるキーパーソンたちの講演とインタビューから紐解く。

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変革のビジョンは「循環型デジタル・エンジニアリング」

 2021年に創業から100周年を迎えた三菱電機。ハードウェアを中心とした「モノ作り」で日本の産業を支えてきた三菱電機は、AI時代を見据えアジャイル開発と生成AIを駆使した組織変革に取り組んでいる。

 2025年9月5日にKDDI Digital Divergence Holdingsが主催した、アジャイル・AI推進リーダーが学び合うコミュニティイベントには、三菱電機の組織変革を推進するキーパーソンである、三菱電機 執行役員 DXイノベーションセンター長 朝日宣雄氏とAI戦略プロジェクトグループ プロジェクトマネージャー 田中昭二氏が登壇。AI時代に求められる組織運営の実践事例が紹介された。

 まず登壇したのが朝日氏。変革の中心にあるのが「循環型デジタル・エンジニアリング」という新たなビジョンにあるとし、次のように紹介した。

三菱電機 執行役員 DXイノベーションセンター長 朝日宣雄氏
三菱電機 執行役員 DXイノベーションセンター長 朝日宣雄氏

 「『循環型デジタル・エンジニアリング』は、顧客の機器やシステムから得られるデータをデジタル空間に集約・分析し、そこから得られた潜在的な課題やニーズをもとに新たな価値を創出し、顧客に還元するというものです」

 しかし、この変革には、長年培われてきた製造業の文化が大きな課題として立ちはだかるという。製造業は「ミスなく、最後まで仕上げる」ことを重視し、個人に依存せず誰もが一定の品質を担保する「計画主義」が根付いている。これは機器やシステムの品質を保証するために不可欠な考え方である一方、顧客価値を追求し、迅速な軌道修正が求められる「ソリューションプロバイダ」とは対照的となる。その課題解決のために立ち上がったのがDXイノベーションセンターだ。

 「三菱電機では、この両者の価値観を融合させるために、DXイノベーションセンターを設立し、『プロダクト中心』から『顧客中心』、『ウォーターフォール開発』から『アジャイル開発』、『機器販売モデル』から『サービスモデル』への転換を加速させています」(朝日氏)。

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価値共創を推進する「Serendie」と4つの基盤

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この記事の著者

押久保 剛(AIdiver編集部)(オシクボ タケシ)

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年にスタートの「MarkeZine」立ち上げに参画。2011年4月~2019年3月「MarkeZine」編集長、2019年9月~2023年3月「EnterpriseZine」編集長を務め、2023年4...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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AIdiver(エーアイダイバー)
https://aidiver.jp/article/detail/10 2025/09/25 14:00

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