東京地下鉄(以下、東京メトロ)、日本電気(以下、NEC)、日本電気通信システム(以下、NEC通信システム)は、AIと画像解析技術を活用し、レールの画像から腐食の位置やサイズを検知するシステムを共同開発した。東京メトロ千代田線で、2025年8月から本格導入を開始している。


今回の開発では、河川や濠に近接する区間では湿潤環境により、レールの腐食が進みやすく管理が重要となることから、2019年度~2021年度に東京メトロ千代田線(北千住駅~町屋駅間)において、3社による検証が実施された。レールの腐食の位置とサイズを検知できる本システムが、2023年度に共同開発された。
その後、3社は2024年度に精度向上と追加検証を進め、さらなる保線業務の省力化と安全性向上に向けて、2025年4月から千代田線での導入に向けた試験運用を実施。同年8月に本運用へ移行した。
今回、共同開発された本システムは、NEC通信システムのプラットフォーム「映像点検監視基盤」をベースにしている。営業列車に搭載された線路設備モニタリング装置で撮影したレールの画像を本システムに取り込み、AIと画像解析技術を活用して分析する。これにより、線路における腐食を自動的に検知できる。

具体的には、ディープラーニングを搭載した機械学習ソフトウェア「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」の領域抽出機能により、腐食箇所をピクセル単位で抽出。腐食位置の特定やサイズの把握が自動化され、広範囲かつ短時間でその解析結果を確認できる。
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AIdiver編集部(エーアイダイバーヘンシュウブ)
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