オリンパスは、2025年10月1日、人工知能(AI)を搭載したコンピューター支援診断(CAD/AI)ポートフォリオ「OLYSENSE」(オリセンス)を、米国および欧州で発売すると発表した。OLYSENSEは、AI技術を活用し、病変の早期発見や臨床成果の向上、診療・業務フローの効率化を支援することで、患者ケアの質向上を目指す。

オリンパスは、クラウドベースで統合され、柔軟に拡張可能なアプリケーション群「OLYSENSE」を通じて、次世代の内視鏡エコシステムを展開する。第一弾として3つのアプリケーションを提供し、上下部消化管における病変の検出・診断・解析をサポートする
- CADDIE(キャディー):大腸内視鏡検査において、結腸ポリープの検出および特性評価を支援するクラウド型AIソリューション。豊富なデータセットで学習されており、大型ポリープや鋸歯状病変(SSL)といった発見が難しい病変も含め、内視鏡映像を解析して病変の同定をサポートする
- CADU(キャドゥー):バレット食道患者における異形成の検出を支援するクラウド型AIソリューション。内視鏡画像上で異形成の可能性が高い部位を特定・強調し、医師の診断精度向上をサポートする
- SMARTIBD(スマートアイビーディー):潰瘍性大腸炎の客観的評価を、MAYOスコアに基づき支援するクラウド型AIソリューション。内視鏡画像の視覚的特徴を解析し、診断の主観性を低減する情報を提供する
3つのアプリケーションはいずれも、オリンパスの内視鏡システム「EVIS X1」などとシームレスに連携する。また、クラウドを通じて、常に最新のソフトウェアにアクセスできる仕組みとなっている。
欧州では、CADDIE、CADU、SMARTIBDが欧州医療機器規則(MDR)に基づくCEマーク認証を取得した。CADDIEは、大腸ポリープに対する検出(CADe)および診断(CADx)の両方を対象としている。米国では、CADDIEの大腸ポリープに対するCADe機能のみが米国食品医薬品局(FDA)より510(k)認可を取得している。
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