SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

AIdiver Press

AIを単なる便利ツールで終わらせない。自分を理解する相棒への育て方と新たなトレンド「BYOAI」

「Oracle NetSuite」のカンファレンスで見えた、AIとの働き方の未来

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note

 米国時間2025年10月6日~9日、オラクルのAIクラウドERP「Oracle NetSuite(以下、NetSuite)」のカンファレンス「SuiteWorld 2025」が、ラスベガスで行われた。フォーカスされたのは、やはりAIだ。進化するAIエージェント、個人が普段利用しているAIを業務に持ち込む「BYOAI」の考え方など、今後のビジネストレンドを象徴する数々の発表があった。

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note

システムの乱立は「AIキラー」 解決策は?

 財務・顧客・在庫情報などをクラウド上で統合管理できる「NetSuite」。「SuiteWorld 2025」でさまざまな新機能や事例が紹介されたが、まさに“AIづくし”だった。社内データとAIの掛け合わせが、今後の各社の事業成長にとっていかに競争力になるか、Oracleは強く示したといえる。

 NetSuiteの創業者であり、エグゼクティブ・バイスプレジデントのエバン・ゴールドバーグ氏は基調講演で、AIの恩恵を享受する上で重要になる組織体制について言及した。

 「最新の在庫情報を拾えておらず、商品を過剰に販売してしまう」「変化する市場に対応した施策を、スムーズに実施できない」──こうしたビジネス上の課題を抱えている企業は多いだろう。具体的な解決方法として、在庫管理システムや会計システムなど、課題にに合わせた新しいシステムを導入するケースが少なくない。

 そんな複数のツールが乱立し、経営判断がスムーズにいかない状態をNetSuiteでは「ヘアボール(絡み合った毛玉)」と表現してきた。ヘアボール状態では、データの統合からも遠のく。AIにとって、データは栄養分だ。だからこそ、ゴールドバーグ氏は「ヘアボール状態は、“AIキラー”だ」と指摘する。

Oracle NetSuite創業者/エグゼクティブ・バイスプレジデントのエバン・ゴールドバーグ(Evan Goldberg)氏
Oracle NetSuite創業者/エグゼクティブ・バイスプレジデントのエバン・ゴールドバーグ(Evan Goldberg)氏

 では、どうすれば良いのか。同氏は会場に向けてこう語った。

「一つのシステムにデータが統合されていれば、AIは単なる推測ではなく根拠をもったアウトプットが可能です。強力で実用的なAI機能をボルトでとめるのではなく、既に利用しているシステム自体に最初から組み込む。企業がAIに求めていることは、非常にシンプルだといえます。現状の業務の延長線にAIがいて、一緒に働いてくれる状態です」(ゴールドバーグ氏)

 昨今、AIの存在感は増す一方だ。AIツールやAIエージェントが、次々と生まれている。何が自社のビジネスに合っているのかを判断することは容易ではない。しかし、そもそも統合された社内のデータを活用できれば、AIが各社に合わせた働きをするのではないだろうか。

次のページ
OpenAIのLLMをベースに開発 背景を読むAIエージェントとは

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
AIdiver Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

藤井有生(AIdiver編集部)(フジイ ユウキ)

 1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。ウェブマガジン「ECzine」編集部を経て、「AIdiver」編集部へ。日系企業におけるAI活用の最前線、AI×ビジネスのトレンドを追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
AIdiver(エーアイダイバー)
https://aidiver.jp/article/detail/89 2025/10/17 08:00

広告を読み込めませんでした

広告を読み込み中...

アクセスランキング

アクセスランキング

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング