2025年12月17日、キリンホールディングスと日立製作所は、キリンが保有する大規模な消費者嗜好データや成分データと、日立のマルチモーダルAI技術、行動科学・デザイン思考を組み合わせ、消費者の飲料選択や飲酒行動の要因解析に関する共同研究を開始したと発表した。
この共同研究は、味や香り、成分、パッケージ、生活環境など複雑に絡み合う飲料選択・飲酒行動について、科学的な理解を深めることを目的としている。特に、消費者行動の多様化や健康・安全意識の高まりを背景に、商品開発の初期段階から「選ばれる方向性」やターゲット消費者像を可視化しやすくする点が重視されている。
研究は2つの柱で構成される。1つ目は、飲料の特徴や消費者評価などの異なる情報をAIで統合し、飲料が選択される要因を整理・可視化する仕組みの確立である。これにより、味やコンセプトの方向性を科学的に検証でき、商品開発の精度や速度の向上が期待されている。
2つ目は、行動科学やデザイン思考を活用し、健康や安全に配慮した飲酒行動に影響する認知・感情・環境要因の分析を行う。適正な飲酒行動の促進や、社会全体の健康増進につながる知見の獲得を目指す。
両社は、今回得られる知見や手法を基に、AIや行動科学を応用した社会課題解決や学術発信にも展開する方針であり、今後も基盤技術の応用可能性を模索していくとした。
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