声優事務所の81プロデュースと音声AI技術を手がけるイレブンラボが、業務提携を発表した。81プロデュースは所属声優の声を必要に応じてイレブンラボに登録し、イレブンラボはその声を多言語化できるプラットフォームと技術を提供する。両社は、日本語のオリジナル声優の声質を保ちながら、アニメやナレーションなど様々なコンテンツの多言語化を推進することで、日本のコンテンツ産業の国際展開に貢献するとしている。
提携の背景には、近年増加する声優音声の無断盗用やAIによる不正利用への懸念がある。81プロデュースは400名超の声優が所属する事務所であり、声の保護と新たな収益機会の創出を重視している。イレブンラボの技術では、デジタル透かしやC2PA準拠といった仕組みにより音声の真正性が担保されるほか、声質やトーンを保持したまま、29ヵ国語への多言語展開が可能だ。
この業務提携により、「日本語の声優」と「多言語の声優」を融合した「ハイブリッド声優」という新たな概念が誕生し、声優の活動領域がグローバルに拡大する。コンテンツ制作の効率化や、吹き替え多言語化コストの削減、海外競争力の向上など、業界全体への波及も見込まれている。
今後は、声優による音声登録の拡充、アニメや映画、ゲームなど多様なジャンルへの展開、グローバル配信会社や制作会社との新たな協業プロジェクト等、さらなる連携が進められる予定である。
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AIdiver編集部(エーアイダイバーヘンシュウブ)
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