日本IBMは、AIや先進技術によって材料開発を効率化する新サービス「IBM Material DX」の提供を開始した。このサービスは、材料探索から設計・導入まで一貫して支援し、開発スピードを数倍に高めるとともに、ESG対応や規制物質リスクの事前回避を実現する。対象となるものづくり産業は地政学的リスクや原料調達難、サプライチェーン断絶など様々な課題に直面しているほか、PFASなど規制強化が進む物質への対応も求められている。
IBM Material DXは四つの柱で構成されている。まず、公開文献データ基盤と顧客の材料・製品情報を統合し、データ解析により新材料開発を戦略的に支援する。次に、数十億の化合物データで学習した基盤モデルや最適化技術を活用し、材料候補のスクリーニングや構造設計などを効率化する。さらに、材料開発向けのAIエージェントや専門知識不要の対話型インターフェースも提供される。最後に、オンプレミスやクラウドなど多様なインフラ環境に対応し、機密保持も可能としている。
加えて、ESGリスク判定ツール「IBM Safer Material Advisor」により規制物質リスクを可視化し、量子コンピューターの適用に向けた教育や共同開発など長期的な支援も用意する。専門家による伴走体制で、ものづくり企業のDX推進を後押しする。
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
AIdiver編集部(エーアイダイバーヘンシュウブ)
「AIdiver」(エーアイダイバー)は、株式会社翔泳社が運営する、企業およびビジネスパーソンのAIの利活用にフォーカスしたメディアです。経営、ビジネス、日々の業務をAIで変革したい「AIリーダー」の皆さまに役立つコンテンツを発信します。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
