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AI時代のマーケティング最新動向(AD)

AI時代、「ググる」はなくなる? 検索と対話が共存する世界で、最後に問われる「言語化力」

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 ChatGPTの登場で、情報の探し方は「リンクを辿る」から「その場で答えを得る」形へ激変した。一時は劣勢とされたGoogleだが、20年のAI研究と自社インフラを武器に、今や圧倒的な巻き返しを見せている。マーケティング支援サービス「ONE-AIGENT(ワン・エージェント)」を軸にAI活用の最前線を追う本連載、今回はデジタルマーケティング支援の事業を展開するアタラの杉原剛氏をゲストに、「AIエージェントが普及する時代の検索」について、Hakuhodo DY ONEの柴山大氏が語り合った。なお、本取材は『AIdiver』YouTubeチャンネルでも採録しているので、ぜひ併せてご覧いただきたい。

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OpenAI優勢から一転、Googleの逆襲。刻一刻と状況が変化

押久保:『AIdiver』編集長の押久保です。本連載ではここまで、Hakuhodo DY ONEのマーケティング支援サービス「ONE-AIGENT」について、常務執行役員の柴山さんにうかがってきました。今回は初のゲストとしてアタラのファウンダーで、プラットフォームビジネスアナリストでもある杉原さんを迎え、「AIエージェントが広がる時代の検索の意義」について議論していければと思います。

 杉原さんは、Googleやオーバーチュア(現Yahoo!検索広告)の日本法人で広告ビジネスに携わった、日本の運用型広告のパイオニアと言える存在です。今回は、AIエージェント時代に購買行動がどう変わるのか、をテーマに掲げました。加速的に変化している現状ですが、まずは杉原さん、ここまでの「検索」を取り巻く変化についてうかがえますか?

杉原:本当に激動の時代と言えますよね。大きなきっかけは、2022年11月にOpenAIが「ChatGPT」を一般公開したことだと捉えています。ユーザーにとって、従来の「検索してリンク先を読む」ことから、「その場で答えを得られる」ことが当たり前になりました。これは検索体験そのものを変える出来事で、Googleにとっては検索事業の根幹を揺さぶる衝撃があったと思います。

アタラ株式会社 ファウンダー 杉原 剛氏  KDDI株式会社、インテル株式会社を経て、オーバーチュア株式会社(現Yahoo!検索広告)、Google日本法人で広告営業戦略を担当。企業の成長を後押ししながら、マーケティングの力で人々の暮らしや社会全体をよい方向へ導くコンサルティング会社を目指し、2009年にアタラを創業。最新のグローバル情報発信や人材育成にも力を入れながら、マーケティングの可能性を広げ、よりよい社会の実現に貢献していきたいと考えている。

アタラ株式会社 ファウンダー 杉原 剛氏

KDDI株式会社、インテル株式会社を経て、オーバーチュア株式会社(現Yahoo!検索広告)、Google日本法人で広告営業戦略を担当。企業の成長を後押ししながら、マーケティングの力で人々の暮らしや社会全体をよい方向へ導くコンサルティング会社を目指し、2009年にアタラを創業。最新のグローバル情報発信や人材育成にも力を入れながら、マーケティングの可能性を広げ、よりよい社会の実現に貢献していきたいと考えている。

 Googleも状況を看過していたわけではなく、即座に「Bard」というチャットAIを公開したものの、当時は粗さが目立ち、多少の批判もあったのを覚えています。Googleにとって検索は基幹ビジネスであり、広告事業への影響も非常に大きいので、慎重に考えすぎた結果、スピードと完成度の点でChatGPTに少し後れを取ってしまったのでしょう。とはいえ同社は20年近くAIを研究してきた蓄積があります。最先端の技術を武器に、2023年末から2024年にかけて大きく戦略を変え、Bardを現在の「Gemini」に統合したのです。

 Geminiは皆さんご存じのように、Google WorkspaceやAndroidも含めて、Google全体をAI化する基盤として機能しています。「AI Overviews」といって、今Googleで検索すると、最上部にAIの回答が表示されますよね?

押久保:はい、そうですね。

杉原:これは重要なポイントです。Googleは単体のプロダクトで勝負するのではなく、AIを検索体験の中に静かに埋め込む戦略を選んだ。少なくとも私は、そんな印象を受けました。結果、ユーザーの検索体験を壊さずにAIを実装し、同時に広告の収益化にも道筋をつけたのです。

 ユーザー体験と収益性の両立は、Googleの最も得意とするところで、それを今回もしっかり実現した形ではないでしょうか。こうして基幹ビジネスを守ったことで、GoogleではAIへの投資を強化できる環境が整いました。

 こうした動きの一方で、ChatGPTは守勢に回っている印象です。コスト増と、有料ユーザーが4-5%に留まることで、収益を圧迫しています。現状、世界で7-8億人が利用し、1日で20億回以上の質問がされているので(※1)、検索インテントは非常に高いと言えます。

 業界では今年にもChatGPT内の広告が始まるのではないかと聞きますし(※2)、私自身も広告プラットフォームとしての期待値は高いと思っていますが、現時点では収益モデルの確立が課題でしょう。既存ビジネスを守りきったGoogleと、収益化が問われるChatGPT、2つの構造が明確になっているのが現状だと思います。

国内でのAI検索と、検索自体のシェア。Google検索は減っていない現実

押久保:Googleは、収益を維持しながら、新たなフロンティアへのアクセルも踏んでいると。

杉原:そうですね。基幹ビジネスにメスを入れるのは、どんな業界や事業でも怖いはずです。それをこの短期間で実行し、成果に漕ぎ着けている点には、注目せざるを得ないと思います。

押久保:では柴山さんに、国内の状況をうかがいます。今のお話を受けて、御社が発表された『AI検索白書』におけるAI検索のシェアなどを踏まえて、どのような所感をお持ちですか?

柴山:杉原さんのお話は、とても腑に落ちまして、AIと言えばChatGPTというところから潮目が変わってきているのがまさに今なのだなと実感しました。当社のデータによると、ChatGPTが先行したという点で、しばらく80%近いシェアを誇っていました。ですが図のように、2025年12月を境に10%ほど下落し、その分Geminiが急上昇しています。

Hakuhodo DY ONE 常務執行役員 柴山大氏
Hakuhodo DY ONE 常務執行役員 柴山大氏
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押久保:形勢が如実に表れていますね。

柴山:はい。AI検索ではなく検索全体で捉えると、次の図のように、Google自体のシェアは依然95%と圧倒的に高く、セッション数自体も2024年11月と2025年11月比で102.6%と増加しています。並行して、先の図から分かるようにAI検索のシェアが伸びている状況です。

 ユーザーの行動自体は、AIが出てきて、間違いなく変化しています。ですがGoogleの検索自体が減っているかというと、決して減っていないというのがひとつの特徴です。むしろ、増えているというのが今の実態かもしれません。

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※1

※2

本記事の取材時点では、OpenAIから広告開始の発表はなかったが、2月9日(米国時間)に、米OpenAIはChatGPTに広告を導入するテストを米国で開始すると発表した。

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「情報を探す」から「答えを導いてもらう」へ。AI検索が起こすパラダイムシフト

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社Hakuhodo DY ONE

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://aidiver.jp/article/detail/378 2026/02/27 10:29

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