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AIdiver Press

「住民に嘘はつけない」自治体のAI活用を阻む“ハルシネーション” リスク回避の現実解とは

自治体DXの現在地と生成AI活用の壁──四日市市で導入進めるカラクリに訊く、現場のリアルと突破口


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 国の大号令で進む自治体DXだが、現場ではツール導入が目的化したり、データの整備が遅れたりと課題が山積している状況だ。そこで本稿では、自治体支援を本格化させているAIスタートアップの視点から、自治体DXの現在地と突破口を訊いた。

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AIは「魔法の杖」ではない ツール導入が目的化する現場課題

 2020年12月に『自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画』が策定されてから約5年が経過。ガバメントクラウドへの移行、業務の標準化、オンライン窓口の実現など、その目的は多岐にわたる。2026年3月を期限とした同計画は改訂が議論されている中、現場に目をやるとその進捗にはバラつきが見られる状況だ。

 職員の業務効率化、サービスの利便性向上を目指してITツールが導入されるも、継続的に成果をあげている自治体は多くない。こうした課題からは、地域間格差と“目的の不在”という課題も透けて見える。

 「DXが進んでいる自治体、進まない自治体の格差は大きい」と話すのは、田村佑介氏。AIスタートアップのカラクリで、自治体への製品導入を進めている人物だ。自治体への入札参加資格の取得手続きの要件はもちろん、WebサイトのUI/UXが洗練されている自治体もあれば、旧態依然とした手続きが残るところもあるなど、一見するだけでも自治体間の格差がわかるという。

 さらに深刻なのは「DXの目的化」だ。同社 玉置直寛氏は、自治体DXの実情について次のように語る。

 「課題感をもって業務効率化を図るのではなく、策定されたガイドラインに沿った製品を導入することが目的になっているケースも少なくありません」(玉置氏)

カラクリ株式会社 Sales & Marketing Group / Marketing Team 玉置直寛氏
カラクリ株式会社 Sales & Marketing Group
Marketing Team 玉置直寛氏

 本来、業務上の課題解決のために製品導入を検討すべきだが、多くの自治体では「導入ありき」でプロジェクトが進行してしまう。その結果、現場で活用されないケースが散見される。

 特に生成AIに関しては、この傾向が顕著だ。AIを「魔法の杖」のように捉えてしまうばかりに、AIを活用するために欠かせないデータの整備、各システムとの連携などについて十分議論を重ねず、結果として成果だけを求めているケースも往々にして見受けられる。玉置氏は、「データの準備からはじめ、ステップ・バイ・ステップでの導入アプローチが必要」と警鐘を鳴らす。

次のページ
障壁となるハルシネーション データ整備の壁をどう乗り越える

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この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。2025...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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AIdiver(エーアイダイバー)
https://aidiver.jp/article/detail/293 2026/01/06 10:45

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