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トヨタ会長が語ったAIとの出会いと「人間+AI」思想 企業を長く続けるために必要な挑戦とは何か

「WEB 300 Conference」レポート

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自動運転の可能性 世界トップドライバーの技術を体験できる時代に?

──AIスタートアップ企業が大企業と共創するには、何が必要なのでしょうか。

 当社には38万人もの社員がいます。その分、多様な意見が生まれてくるんです。そのため、大企業とスタートアップが組む際には、まず「人と人」の付き合いを大切にしたほうが良いでしょう。未来づくりは、絶対に一人、一社だけでは不可能です。同じ志を持つ者同士が力を合わせる。そこには、企業の規模や歴史の長さは関係ありません。

 当社も、もとをたどれば当時の「ベンチャー企業」だったわけです。世間のイメージとは違うかもしれませんが、私は零細企業の経営者の感覚を持っていると思っています。大企業になればなるほど、仕事は機能ごとに細分化されていきます。しかし、スタートアップ企業の経営者は会社と自分が一体になっていますよね。私も、社員の顔が見える大企業でありたいです。

 また、変なヒエラルキー思想は捨てたほうが良いと思います。「大企業が上でスタートアップ企業が下」なんて絶対に思わないで。対等なパートナーとして、未来をつくるためにそれぞれの強みを持ち寄るべきでしょう。1+1を2ではなく、3にも4にもするような協力が日本をもっと良くしていくはずです。

──自動車の未来についてお聞きします。AIによる自動運転が普及したとき、「運転」という体験はどう変わるとお考えですか。

 自動運転技術が進化すれば、たとえばモリゾウ(豊田章男氏)がどんな運転をしているのか誰でも疑似体験できるようになります。世界トップクラスのラリードライバーであるカッレ・ロバンペラ氏の運転技術も、AIを通じて体験できる。2台でのドリフト走行も、AIを搭載した自動運転であれば高い精度で再現できます。

 とはいえ、これを一般の公道で実現するには、法整備やインフラなどの課題があります。私たちの究極の目的は「交通事故死者ゼロ」ですが、技術だけでは難しい。だからこそ、ベンチャー企業も含めて一緒に未来づくりをしていく必要があります。

当日は会場からも質問が投げかけられ、豊田会長がAI時代の経営の考え方を語った。

──今後も勝ち続ける企業になるには、何が最も重要でしょうか。

 自分以外の誰かのために、企業が持つ権力を使えるかどうかだと思います。周りに「この会社は儲かって当然」「もっと成長してほしい」と思われるような存在になれるか。「この会社が成長してくれたことで、こんなことができるようになった」と感じる仲間が増えれば、ずっと応援してもらえる企業になれるでしょう。

 加えて変化も必要です。当社にはロングセラーがいくつかあります。たとえばクラウンは今16代目です。しかし、ずっとそのままの形できたわけではありません。特に14代目で新しいクラウンシリーズに生まれ変わりました。長く続くためには、自らが変化し続けなければ。

 AIが新しいデータを学習すれば新しい答えを導き出しますが、人間は同じことを繰り返していると慣れてしまいます。どんどん刺激を与える必要があるんです。周りに応援され続ける企業になる上では、誰のために変わるか、どれだけの共感を得られるかが重要ではないでしょうか。

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この記事の著者

藤井有生(AIdiver編集部)(フジイ ユウキ)

 1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。ウェブマガジン「ECzine」編集部を経て、「AIdiver」編集部へ。日系企業におけるAI活用の最前線、AI×ビジネスのトレンドを追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://aidiver.jp/article/detail/342 2026/02/16 08:00

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