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トヨタ会長が語ったAIとの出会いと「人間+AI」思想 企業を長く続けるために必要な挑戦とは何か

「WEB 300 Conference」レポート

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 多くの企業が、いまだAIを単なる業務効率化のツールとみなしているのではないだろうか。しかし、トヨタ自動車の豊田章男会長は「AIとの共創」や「自動車の新たな提供価値」にフォーカスしている。選ばれ続ける企業のトップはAI時代に何を考え、そして行動に移しているのか。2026年2月2日開催の「WEB 300 Conference」で同氏が語った。

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「単なる効率化やコストカットはAIに失礼」 人間とAIの共創の思想とは?

──昨今のAIの進化について、どうお考えですか。

 「AIっていったい何だろう?」というのが、私のスタート地点でした。社内で若手を中心に、AIに明るい社員を2~3名集めて、まずは「AIを知る」活動を始めたんです。

 以前から、私は「もう少し私という人間に興味を持ってくれないか」と社内でもずっと言い続けてきました。ところが、「豊田章男」そのものには意外と興味を持ってもらえない。そこで試しに、AIに「豊田章男とはどういう人間か」と聞いてみたところ、的確な答えが返ってきたんです。それがChatGPTやGeminiとの出会いでした。

 AIの良い点は、人間と違って「裏表」がないところです。人間はどうしても忖度をしますが、AIはデータにもとづいてフラットに返してくれます。一方で、人間には別の良さがあります。私は毎朝散歩をしていますが、「今日は嫌だな」と思う日でも、いざ歩き出すと「やり切ろう」という感情が湧いてくる。これは、人間ならではです。

 人間は本当に「めんどくさいもの」だなと思うんです。単なる効率化ではなく、めんどくさい社会を営んでいるのが人間ではないでしょうか。そのため、論理だけで片付くことはどんどんAIに任せていけば良いと思っています。

──日常的にAIを使われているんですね。

 たとえばビジネスの現場では、議事録を書くことが仕事になっている人がいますよね。しかし、結局は誰も読み返してくれない。トラブルが発生したときのために残してはいても、その会議で「何が決まったのか」が、従来の議事録ではあまり伝わりません。そこで今、活用しているのが「NotebookLM」です。さまざまな会議を録音しておいて、NotebookLMに「この内容をラジオ風に解説して」と指示を出します。すると、みんなが「聴きたい」と思うコンテンツに変わる。

 当社は自動車会社であるため、移動中に耳で情報をインプットする人が多いんです。そこでNotebookLMで生成したコンテンツを聴いてもらえば、会議に出ていなかったメンバーの理解度が高まり、共感の輪が広がっていきます。

 世間ではDXなどを推進すること自体が目的化しがちです。しかし、AIはあくまで一つのツール、あるいは「相棒」であるべき。「人間+AI」で何ができるかを考えなければなりません。単なる効率化やコストカットだけを目的にすることは、AIに失礼ではないでしょうか。

 効率化だけを突き詰めると「今の仕事の8割はいらない」と判断されることもある。残り2割の「人間にしかできない部分」にどう入っていくか。それを考えているところです。

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社会が一気に変わるわけではない──それでもトヨタとして今やるべきこと

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この記事の著者

藤井有生(AIdiver編集部)(フジイ ユウキ)

 1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。ウェブマガジン「ECzine」編集部を経て、「AIdiver」編集部へ。日系企業におけるAI活用の最前線、AI×ビジネスのトレンドを追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://aidiver.jp/article/detail/342 2026/02/16 08:00

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