「AI時代が全盛期」といえる4つのビジネス
栗原:では、人がいらなくなる時代にも必要とされるのはどんな人でしょうか。
入山:これは日本共創プラットフォーム 会長の冨山和彦氏がおっしゃっていたのですが、今後は「スマイルカーブ現象」がさらに発生するでしょう。
スマイルカーブ現象
製造業などにおいて、上流(企画開発)と下流(販売およびサービス)の収益性が高まる一方で、中流(製造や組立)の収益性が低くなる現象
入山:上流・中流・下流と立場を分けると、上流は「知の探索」のように多様な情報を見て、答えがない中でコンテキストを読みながら意思決定し、責任を取る仕事です。リーダーや経営者、起業家がその例ですが、これはAI時代にも絶対に残ると思います。
反対に下流に位置する「現場」の人々も残るでしょう。なぜならば、リアルな手仕事をAIは完璧にはできないからです。既に建設現場の方々の給与は上がってきています。ガストの店長は最大で年収1,000万円ですし、丸亀製麺は最大で2,000万円です。
難しいのは管理職やバックオフィスなどの中流で、定型業務であるためほぼ残らないと考えられます。彼らがどうやって上流や下流にシフトしていくかが非常に重要です。業種で言えば、世の中を便利にするために行われている定型業務はほぼなくなります。求められるのはインサイトを提供するような仕事です。
しかし、当然ですが人類は長い間同じことを繰り返してきました。技術革新が起きるたびにさまざまな職が奪われていますが、結局は新しい仕事が生まれてくるわけです。今回のAIに関しても同様でしょう。なくなる仕事はあっても、新たに生まれる仕事が絶対にあります。
私がAI時代に全盛期を迎えると思っているのが「ブランド」「エンタメ」「食」「スポーツ」です。たとえば、私は日本庭園のスタートアップ企業に投資をしています。絶対にAIに奪われない仕事であり、価値が上がると予測しているからです。日本は幸いIPが強いですよね。各社がIPにフォーカスし始めているのは、エンタメやブランドであり価値が落ちないからでしょう。
栗原:加えて大きな潮流は何かありますか。
入山:正直なところ、ほとんどは人が不要となる話に集約されます。会社でいう中間層で定型業務を行っている方が、どう次の仕事に移るか。それは、リスキリングという話ではありません。おそらく「メタモルフォーゼ」、つまり「異世界転生」です。その勢いで人は変わっていかなければならないのです。今後はそれを支援するサービスがたくさん生まれるでしょう。人材系のヘッドハンティングや企業間の人材マッチング、転生のためのビジネスなどです。
栗原:今のニュースを追っていくと、人口減少とともに人材削減が同時進行しているように見えます。やはりAIの影響が大きいということですね。
入山:ただ、日本は人口が減っている点でラッキーかもしれません。アメリカやベトナム、インドは人口が増えているため、失業が発生するでしょう。日本は失業が少ないとは思いますが、問題はAIが苦手な人にどうAIを活用してもらい上流や下流に移ってもらうか。もしくはエンタメなどの新しい領域にシフトしてもらうかです。
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続きは2月○日頃に、動画・記事にて公開予定です。
