AI企業のAnthropicは、第4回「Economic Index Report(経済指標レポート)」を発表した。本レポートでは、「経済プリミティブ」と呼ばれる5つの新たな指標が採用された。これには、タスクの複雑さ、成功率、時間短縮効果、AIに与えられている自律性の程度などが含まれる。なお、本レポートでは、Anthropicの最新モデル「Claude Opus 4.5」の公開直前における、Claude.aiおよびClaude API全体での利用状況を分析している。
職種によって異なるAIの影響
放射線科医やセラピストなどの専門職では、AIが時間のかかる業務の一部を担うことで、人間のスキルが部分的に強化され、患者やクライアントと向き合う時間が増える可能性がある。一方で、データ入力担当、ITスペシャリスト、旅行代理店といった職種では、AIが高度な教育や訓練を要する業務の大部分をカバーできる場合も多く、人間の業務が単純化されたり、スキルの低下(デスキリング)につながったりする可能性がある。
人間との協働と監督は依然として不可欠
AIは、高度な専門職を置き換えるのではなく、人間との協働を通じて生産性を高めていると考えられる。Claude.aiでは、AIを補助的に使う「拡張型」の利用が会話全体の51.7%と、再び半数を上回った。これはスピードと信頼性のトレードオフを踏まえると合理的な結果といえる。
大学教育レベルを要するタスクでは12倍のスピード向上が見られる一方、高校レベルのタスクでは9倍にとどまった。しかし、業務が複雑になるほど、人間による判断や監督の重要性は高まるという。AIの力を最大限に引き出し、そのアウトプットを適切に評価するためには、専門的な知見が不可欠といえる。
AIは過去100年の主要テクノロジーを上回る速度で米国全土に浸透
現在のペースが続けば、今後5年以内に米国50州すべてにおいて均等の利用水準に達する可能性がある。これは20世紀の主要なテクノロジーと比べて、約10倍のスピードであまねく普及することを意味する。
グローバルでは、米国、インド、日本、イギリス、韓国がClaude.aiの利用をけん引
- グローバルにおけるClaudeの利用傾向では、地理的な集中という明確な特徴が挙げられる。一部の国が利用全体の大部分を占めており、その背景には経済水準が大きく影響している
- Claudeの利用は、国民一人当たりの平均所得と密接に関連しているとのこと。一方で、米国の州別分析では所得よりも労働力構成が利用を左右する要因となっている
- 一人当たりGDPが1%増加すると、Claudeの利用は0.7%増加する傾向が見られた。一方、現時点では低所得国が急速にこの差を縮めているという兆候は確認されていない
- 世界全体で見ると、Claudeは主にビジネス目的で利用されている。また、地域ごとに特徴的な利用傾向も見られる
- バルカン諸国とブラジルでは、ビジネスでの利用率が最も高い
- ブラジルは、法務分野におけるAI活用の拠点として台頭
- 日本は、フィクション執筆での利用が突出
- インドネシアは、教育・課題用途で先行
Claudeはビジネス用途を中心に、対応可能な領域を拡大
- Claudeは、コンピュータおよび数理関連業務で最も多く使われているが、Claude.aiではクリエイティブ業務、Claude APIではバックオフィスや管理業務での利用も進んでいる
- Claudeがカバーできるタスクの数も増えており、現在では49%の職種がタスクの少なくとも4分の1でAIが活用されている。これは以前の調査の36%から増加している
日本における調査データ(国別データはClaude.aiの利用状況に基づく)
- 日本ユーザーのAUIは1.59に達し、言語重視の利用傾向が際立つ。翻訳用途でClaudeを利用する割合がグローバルの2.5倍で、テキストや文書を翻訳するタスクが全利用の4.3%を占めており、最もよく利用されるユースケース
- プログラミング言語や開発タスク全般にわたるコードのデバッグ、修正、リファクタリングにClaudeを使用するケースは、全体の3.8%を占めており、2番目に多い
- その他の特徴的なユースケースとしては、校正・編集・ビジネス文書作成(グローバル比1.4倍)、複数の形式や業界にわたるマーケティングコンテンツの作成および最適化(グローバル比1.5倍)、チャットボットやワークフロー自動化を含む応用AI開発(グローバル比1.2倍)が挙げられる
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AIdiver編集部(エーアイダイバーヘンシュウブ)
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