7つのステップでAIがプラニングに並走
柴山:PLANNINGの全体像は、次の図のようになっています。市場分析や自社分析、あるいはインサイト発掘などは、それぞれ細分化した専門AIエージェントが機能しています。
野口:このように段階的になっていると、経験のあるプランナーでも学びが大きそうですね。
柴山:はい、そう考えています。まさに、AIをパートナーとして人間の側の進化も見込んでいます。
具体的には、7つのステップがあります。まず「基本情報の把握」として、さまざまなインプット情報とインターネット上の情報を合わせて、サマリを作成します。SWOT分析やPEST分析、5Forces分析などのマーケティング・フレームワークも自動生成します。
柴山:次に競合分析ですが、同カテゴリの競合だけでなく、異なるカテゴリでも同じ顧客ニーズを満たすジョブ競合もリストアップします。その上で、適切にX軸・Y軸を設定したポジショニングマップを描画する機能もあります。視覚的に分かるので、クライアントとの会話に用いているという声もありますね。
野口:ポジショニングマップまで出してくれるんですか。そもそも軸の設定が難しかったりしますから、これは有用ですね。
柴山:そうですね。X軸Y軸をどうするか、それを考察することって意外と頭を悩ませる部分ですからね。そして、ここまでの情報をもとに仮説を生成し、その検証方法にも示唆を提示します。ここまでが、大きく戦略パートになります。
博報堂DYグループの強みである生活者データが力を発揮
柴山:戦術パートとしては、ターゲット選定とペルソナ生成の段階があります。インサイトを踏まえて、ターゲットとなる顧客セグメントを一覧化して提案します。
野口:顧客分析には、博報堂DYグループ全体で長く蓄積されている生活者データも反映されているのですよね?
柴山:もちろんです。与件ごとのインプットと、博報堂の生活定点データや生活者DATA PLATFORMとの整合性も十分に分析しながらターゲットを提案し、それぞれのクラスターに属する具体的なペルソナも複数パターンを生成します。そして、そのペルソナに対してデプスインタビューもできます。忖度して答えることもないので、プランナーが知りたいことを存分に深掘りできるのが特徴ですね。
柴山:最後に、実際の訴求開発と、コピー生成も行います。プラニングから、どのようにクリエイティブに落とし込むかの方針づくりですね。
野口:想像をはるかに超える技術力と作り込みですね。高度な機能に加えて、過去からの勝ち筋クリエイティブのデータ、企業“らしさ”の担保、そして博報堂の生活者データとも連携できる部分などは唯一無二だと感じました。
ちなみに、初期仮説からセグメントを選定してペルソナをつくるにあたって、絞り込みすぎてしまうことはないのですか?
柴山:たしかに「仮説→ターゲティング→ペルソナ」の過程は、AIによってこれまでよりぐっと絞り込まれていきます。ただ、どのセグメントを選択するか、ほかのセグメントはないのかを模索したり、あるいはペルソナも2人目、3人目と増やしたりすることも可能です。また、競合とのポジショニングマップからも、どこにマーケットの白地があるのかといったことを考えやすくなるので、絞り込みと思考の拡張を並行して進められます。
――ここまでできるとは、驚きの連続でした。AIとの忖度なき対話を通して、プラニングを練り上げていく未来を感じましたし、それを現実に実行できる作り込まれた基盤があることも印象的でした。次回は、PLANNINGに連携するDISPLAY Adsで、どのようにクリエイティブが量産され運用まで行うかを詳しくうかがいます!
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