Microsoftが示すAIに「選ばれる」コンテンツの条件
一方のMicrosoftは、2025年11月、Bing Webmaster Blogに「How AI Search Is Changing the Way Conversions are Measured(AI検索がコンバージョン測定を変える方法)」と題した記事を公開しました。
記事によると、Copilotを活用したカスタマージャーニーは、従来の検索より平均33%短縮されているといいます。また、購買意図の高い検索クエリにおけるコンバージョン率は、従来比で76%向上しているとのこと。
これらのデータは、AI検索経由のユーザーが「質の高い」訪問者であることを示しています。AIとの会話を通じて情報を整理した上でウェブサイトを訪れるため、目的が明確で、購買や登録などのアクションにつながりやすいのでしょう。
また、「ゼロクリック」の価値についても言及されています。ユーザーがウェブサイトをクリックしなくても、AIの要約や比較に表示されることでブランド認知や信頼を形成することは可能。従来の「クリック数」だけでなく、「可視性」「引用」「エンゲージメント(コンバージョン)」を新しい成功指標として捉えるべきだとしています。
では、どんなコンテンツがAIに選ばれるのか。2025年10月、Microsoft Advertising Blogの「Optimizing Your Content for Inclusion in AI Search Answers(AI検索の回答に選ばれるコンテンツの作り方)」という記事において、同社のクリシュナ・マーダヴァン氏が詳しく解説しています。
注目すべきは、同氏が「従来のSEOの基本は依然として重要だが、これらは出発点に過ぎない」としている点です。
AI検索では、ページ全体の順位よりも「コンテンツのどの部分が最終回答に採用されるか」が重要となります。CopilotのようなAIアシスタントは、コンテンツを「パース(解析)」と呼ばれるプロセスで小さな断片に分解し、権威性と関連性を評価します。それらの断片が組み合わされ、複数のソースから1つの一貫した回答が作成されるのです。
この仕組みに基づき、選ばれやすいコンテンツの条件として次が挙げられています。
- タイトル、ディスクリプション、H1タグの整合性
- 見出し(H2、H3)で明確にセクションを区切る
- Q&A形式の採用
- リストや表の活用
- schema.org(構造化データマークアップ)の実装
反対に、避けるべきことと指摘されているのが次のような項目です。
- 区切りのない長文(AIにとって「どこを切り取ればいいか」わからなくなる)
- 折りたたみメニューやタブ内の情報(AIがレンダリングしないことがある)
- PDFだけでの情報提供(HTMLの構造化シグナルを欠く)
- 画像だけでの重要情報の提示(AIの解析精度が下がる)
SEOがAI検索最適化にも活きる理由 変わらない5つの要素
GoogleとMicrosoftの公式情報から見えてくるのは、AI検索最適化の多くの部分が従来のSEOと重なっているということです。共通する部分を整理していきましょう。
コンテンツの品質(E-E-A-T)が基盤
「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の4要素は、AI検索時代においても変わらず重要。AIは多くの情報源から回答を生成するが、信頼できるソースを優先的に参照する。
ユーザーの検索意図への対応
ユーザーが何を知りたいのか、何を解決したいのかを理解し、それに応えるコンテンツを提供することは、SEOでもAI検索最適化でも不可欠。AIはユーザーの質問意図を解釈して回答を生成するため、意図に合致したコンテンツが参照されやすくなる。
技術的な土台
クローラビリティをはじめ、技術的な基本はAI検索でも引き続き求められる。AIがコンテンツを参照するためには、まずそのコンテンツがクロール・インデックスされている必要がある。
構造化されたコンテンツ
適切な見出し階層、論理的な構成、読みやすい文章は、人間にとってもAIにとっても理解しやすいコンテンツの条件となる。特にAIは、構造化されたコンテンツから情報を抽出しやすく、それが正確な引用につながる。
信頼性のシグナル
引用・出典の明記、著者情報の開示、更新日の表示といった信頼性を示す要素は、従来のSEOでも重視されてきた。AI検索においても、信頼できる情報源として認識されるために、これらの要素は欠かせない。
