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AIdiver Press

奥谷孝司氏に訊く「AI時代にブランドは意味がない?」への答え 今すぐAIに学習させるべき資産とは

NRFで見えた2026年以降のブランド経営の在り方

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「もう“脳みそ”で勝負できない」 ラグジュアリーブランドの価値が上がるといえるワケ

 良品計画、オイシックス・ラ・大地を経て、自ら立ち上げたSuper Normalでもブランド運営を手掛けている奥谷氏。靴下やジャケットなどの商品開発を通じて「AI時代であろうとなかろうと、商売が難しいことは変わらない」と痛感しているという。

「いくら自分で良いと思っても、すぐに何百万円も売れるわけはありません。私自身、今までは思考、つまり脳みそで勝負してきましたが、今やノウハウはすぐに形式知化され、陳腐化していきます。AIがある程度の答えを出す時代に、脳みそだけで生きるのは限界がある。モノはたしかに急には売れませんが、日用品なら必ず誰かが買います。そう考えると、デジタルマーケティングのコンサルティングなどは“現場”に降りてこない限り、短命に終わるのでしょう」

 モノが溢れる時代に、激しい競争に飲み込まれる可能性もあるが、奥谷氏は「これからはニッチなマイクロビジネスの成功者が絶対に増える」と断言する。同氏の知人はサラリーマンをしながら、多品種少量で洋服を作り始めた。現在、クラウドファンディングや自社サイトを活用して、少人数で年商5,000万円規模に成長しているという。

「私は最近よく『一人で年商1億円のスモールビジネスを目指そう』といっています。ブランドを大きくしすぎると、レッドオーシャンの競争に飲み込まれてしまう。いい意味でビジネスを小さく保つのもAI時代の生き残りの道です」

 これは事業規模に限らず「泥臭く現場の仕事をやる価値に気づくべき」というメッセージでもある。その中で有利ともいえるのが、ラグジュアリーブランドだ。

「彼らはある種のクラフトマンシップが文化に根付いているため、AI時代に良いことしかないのです。色んな歴史もあります。たとえば革製品などの価値、値段は今後とにかく上がっていくと予想できます」

 そのほか、接客も一つの手仕事である。コミュニティや飲み会への参加も、もしかすると価値が高まっていくかもしれない。

「スマートなことは、すべてAIがやってしまう時代です。今の人々は、答えを求めるアンサー(Answer)型が多いように感じますが、AIで誰でも回答が得られる時代になってしまう。重要な差別化要素は態度を示すこと、つまりアティチュード(Attitude)型になることです。AIが発達すればヒューマンエラーは減り、人はより大胆な意思決定ができるようになる。結果的に最後に残るのは、人間が現場で手を動かし、どんなスタンスで顧客と向き合うかという、極めてアナログなものです」

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この記事の著者

藤井有生(AIdiver編集部)(フジイ ユウキ)

 1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。ウェブマガジン「ECzine」編集部を経て、「AIdiver」編集部へ。日系企業におけるAI活用の最前線、AI×ビジネスのトレンドを追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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