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NVIDIAも認める先進事例!博報堂DYグループが挑むマーケティングへのエージェンティックAI実装

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 AIとアクセラレーテッドコンピューティングの世界的リーダーとして、多くのAI開発者やエンジニアから圧倒的な支持を得るNVIDIA。Hakuhodo DY ONEのマーケティング支援サービス「ONE-AIGENT」で提供しているAIエージェントサービスも、NVIDIAのプラットフォーム上で開発を推進している。「ONE-AIGENT」を軸にAI活用の最前線を追う本連載、今回は博報堂テクノロジーズで進める、NVIDIAプラットフォームを活用したエージェンティックAIの共同構築プロジェクトに焦点を当てる。NVIDIAの井﨑武士氏、博報堂テクノロジーズの川上孝介氏に、Hakuhodo DY ONEの柴山大氏が聞いた。

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博報堂DYグループがNVIDIAを選んだ理由。GPU性能だけじゃない付加価値

柴山:現在我々Hakuhodo DY ONEでは、NVIDIAの「NVIDIA AI Blueprints」や「NVIDIA NeMo Agent Toolkit」を活用したエージェンティックAIの開発を、博報堂テクノロジーズとともに進めています。今回はその話をテーマに、NVIDIAの井﨑さんにご参加いただき、博報堂テクノロジーズの川上さんにも加わってもらいました。

 NVIDIAさんとは、私が創業したnegociaで、GPUを購入したことを機にお付き合いが始まりました。また川上さんとは、negocia時代にともに働いていた仲でもあります。まずお二人から、自己紹介を兼ねて、今回のプロジェクトにおける役割をお話しいただけますか?

井﨑:NVIDIAの井﨑です。私は国内の法人ビジネス全般を見ていますが、並行して日本ディープラーニング協会の理事も務めており、この10年ほどは日本企業がいかにAIを社会実装して強くなるかをライフワークにしてきました。今回のプロジェクトでは、博報堂DYグループさんが進めるエージェンティックAI構築に対し、技術支援を行うチームの監督をしています。

エヌビディア エンタープライズ事業本部 事業本部長 井﨑 武士
エヌビディア エンタープライズ事業本部 事業本部長 井﨑武士氏

川上:博報堂テクノロジーズの川上です。私は2019年にnegociaに参画し、NVIDIAのGPUを使って、広告クリエイティブの画像やテキストの自動生成モデル開発に携わってきました。現在は博報堂テクノロジーズで、生成AIの次なる波であるエージェンティックAIに関わるシステム開発全般を担当しています。

博報堂テクノロジーズ 統合マーケティング・メディアユニット メディア事業推進センター データテクノロジー2部 部長 川上孝介

博報堂テクノロジーズ 統合マーケティング・メディアユニットメディア事業推進センター

データテクノロジー2部 部長 川上孝介氏

 NVIDIAのGPUは今、世界中のAI開発者の間で争奪戦になっていますが、我々がタッグを組みたい理由はGPUの性能だけではありません。最大の理由は、NVIDIAのAI開発プラットフォームが圧倒的に優れていることです。

柴山:その通りですね。データサイエンティストやエンジニアの視点に立った、手厚い開発プラットフォームと技術支援を提供されています。こうした企業をパートナーとすることで、我々が理想とする高度な自律型システムの構築が可能になると考えています。

相談相手から仕事仲間へ。NVIDIAのプラットフォームがもたらす衝撃

柴山:現在のAI活用は、本連載でここまで紹介してきたように、人間が個別のエージェントに指示を出し、エージェントが自律的に成果を出す「単発の実行」が中心です。

 しかし、エージェンティックAIの真の力は、単なる一問一答にとどまりません。一つの依頼を完了させるだけでなく、その成果から「次に何をすべきか」を連続的に考え、次の工程へとつなげていく。それこそエージェンティックAIですし、マーケティングもそこにアジャストさせていくことが不可欠です。その実現に向けて、NVIDIAさんのお力を借りているのが現状です。

 ここからは、プロジェクトの進捗を紹介しながら、具体的にNVIDIAプラットフォームの特徴を掘り下げていきます。川上さん、今進めているA2A(Agent-to-Agent)の取り組みと、NVIDIAプラットフォームの印象を教えてもらえますか?

川上:先ほど柴山さんが話されたように、単発の実行から、工程が完了するまでのすべてを自動で推進できる「オーケストレーション基盤」の実現を目指しています。

 NVIDIAのプラットフォームは、GPUといったハードウェアから、モデル開発、推論、アプリケーション実装まで、AI構築に必要なレイヤーを一気通貫で提供しています。そのため、PoCにとどまらず、本番運用や継続的な高度化までを同一基盤上で推進できます。

 また、ソフトウェアがOSSとして公開されているため、導入後の拡張や修正にも柔軟に対応でき、“初めの一歩”を踏み出しやすい点と、高度なカスタマイズ性を両立できることが大きな魅力です。

開発者は「何を作るか」に全集中。開発部分だけでなく評価面も対応

柴山:今、川上さんから具体的なツールの話も上がりましたが、NVIDIAさんがGPUというハードウェアだけでなく、OSS(オープンソース・ソフトウェア)も提供する狙いはどこにあるのでしょうか?

Hakuhodo DY ONE 常務執行役員 柴山大氏
Hakuhodo DY ONE 常務執行役員 柴山大氏

井﨑:我々は自社を、ハードウェアベンダーではなくプラットフォームベンダーと定義しています。優れたGPUだけでなく、ソフトウェアも併せて提供することで、開発者の方に作りたいものに集中していただきながら、NVIDIAを利用する方を増やしたいと考えています。そのため、LLM構築のためのNVIDIA NeMoや、推論を最適化して提供するNVIDIA NIMといったツールチェーンをマイクロサービスとして提供しています。

 多くのソフトウェア開発においてネックになるのは、ライブラリのアップデートやメンテナンスです。たとえばPythonのライブラリがアップデートされたら、構築済みのソフトウェア全部を検証し直さないといけません。それに非常に工数がかかるので、ならばNVIDIAですべて対応しましょう、対応済みの環境を用意しましょうという考えです。

柴山:だから、開発者は「何を作るか」という本質に集中できるわけですね。

井﨑:そう考えています。我々のソフトウェアを使って、作りたいものの青写真を描くには、NVIDIA AI Blueprintsが有効です。文字通り、この青写真の通りに作っていただければ実現できるよう構築しています。

エージェンティックAI構築で困るのは、パフォーマンスの評価ですが、評価を行える機能もあります。そこまでカバーして開発を支援するツールチェーンを提供しているのが、当社の大きな特徴だと思います。

NVIDIAも認める先進事例。博報堂DYグループのスクラッチ開発

川上:対応済みの環境を用意しましょう、とおっしゃった部分は、本当に開発現場としてありがたみを実感しています。大幅な工数の削減につながっています。

 製品担当の方とも、定期的にお話ししてフィードバックいただき、プロジェクトの推進力になっています。米国本社の方々とも度々セッションさせていただき、意見を丁寧に吸い上げてくださっている実感があります。

井﨑:我々としても、いろいろな開発者の方々の意見を聞きながら、次の製品に生かしてさらなる提案にもつなげたい考えがあります。そうした部分がうまくかみ合って、共同でプロジェクトを進めさせていただけているのだと思っています。

柴山:なぜここまでNVIDIAという会社がAIの世界を席巻しているのか、今のお答えに凝縮されているように感じますね。では、逆に井﨑さんから、博報堂DYグループの取り組みをどうご覧になっているかうかがってもいいでしょうか?

井﨑:欧米の広告会社さんとももちろんお付き合いしていますが、意外と自社で開発しているケースは多くありません。実際、当社の製品担当が御社に強い興味を持っているのは、自社開発されている点が大きな理由なんです。

 取り組みの内容も高度で、技術力も高いですし、しっかりした結果も伴っている。まだ世界でもここまでの実装例は多くないので、広告業界から自律化の事例が出てくることを非常に期待しています。

 単発の実行ではなく、複数のエージェントがトークし合いながら全体のワークフローが最適化・自律化することが、A2Aのいちばんの醍醐味です。そういったシステムが生まれるのが楽しみですね。

人がAIを使うフェーズから、AIエージェントがシステム間を自律行動するフェーズへ

川上:ありがとうございます。我々がスクラッチ開発に取り組んでいるのは、汎用的なAPIだけでは、最終的に他社との差別化ができなくなることが大きな理由です。日本語は特に顕著ですが、実際に商用APIの性能は高いので、それで解決するという考え方もあります。ただ、そうすると究極的には同質化し、差別化できません。

我々の強みは、クリエイターやプランナーが持つ独自の思考プロセスを単なる生成指示ではなく、「意思決定の構造」としてAIに組み込める点にあります。独自のモデルを構築し、評価軸や判断基準までを内包した基盤を整えることで、知見が継続的に蓄積・高度化していく仕組みを構築しています。

 AIが蓄積された知見を再現・拡張し、人はその上で新たな価値創出に集中する──その循環を設計することが、博報堂DYグループならではの競争力を支える基盤になると考えています。

柴山:重要なのは、データのフィードバックですよね。どこで何のデータを貯め、それをどうモデルに返すか。このデータフライホイールを回すためには、自分たちで設計の自由度を持つ必要があります。自分たちの、マーケティングの思考を徹底理解した「推論モデル」を育てる感覚に近いかもしれません。

 では、この先、社会やビジネスの現場はどう変わっていくのか、井﨑さんのご見解をうかがいたいと思います。2026年はエージェントの概念が本格的に社会実装される年になると思いますが、どのような展望を描かれていますか?

井﨑:2026年から27年にかけて、変化はさらに加速するはずです。人がAIを使うフェーズから、システムそのものがAIエージェントを介して連携し、自律するフェーズに入ると思います。例えば工場の受発注、製造、物流の各システムがエージェントを介して対話し、人が介在せずに全体最適が行われる。マーケティングにおいても、同様のことが起きるでしょう。

 ただ、AIエージェントが自律的に動くようになると、必ず人間は何をするのかという問いが生まれます。そこで、システムをどう要件定義するのか、どの部分は人間が考えるべきなのかの線引きが必要になります。すべてのシステムがAIエージェントにコントロールされるなら、それを制御しなければいけません。

自律するAIをどう制御するか。仕事のやり方やスタンスを転換する時期

柴山:その通りですね。予期せぬ挙動やハルシネーションにも目を配らないといけない。

井﨑:はい。AIエージェントが進化すると、中身がブラックボックス化する問題はあるので、ガードレールや、リーズニングモデルを使って判断の根拠を説明させるようなAIも出始めています。また、AIを使った監査も進んでいます。これらを組み合わせて制御する世界になるのだろうと思います。

川上:私も同感で、制御は重要な観点になると考えています。その部分にもAIも活用し、AI同士が協力してAIを教育し合う、あるいは合成データを使って自ら成長する仕組みが整えば、自動化できる業務の幅は一気に広がりそうです。例外はあるでしょうが、来年か再来年には、広告運用のかなりの領域が自動化されている世界が現実味を帯びてきます。それを目指して頑張りたいです。

柴山:今まではAIのモデル性能に投資が集中していましたが、これからはAIエージェントを軸としたビジネスの実用化にリソースが流れていくでしょう。この3年間で生成AIモデルが劇的に進化したのと同様の変化が実用レベルで起き、自律的なビジネスプロセスが当たり前になるはずです。そんな未来を見据えて、最後にお二人から読者の方へメッセージをいただけますか?

井﨑:AIを道具として使うという発想から、AIを前提に、自分の仕事のやり方やスタンスをどう変えるかというパラダイムシフトが必要だと思います。経営者ならAIを経営戦略の軸に据える、個人ならAIによって拡張された自分の能力で実現したいことを考える。そうした転換が、AIの力を最大限に味方にすることにつながるでしょう。

川上:開発者の視点では、最後に重要になるのは「評価軸」だと思っています。AIは代案を大量に生成してくれますが、何が良いのかを判断する基準は人間が持たなければなりません。自分が何を良しとするか、その哲学や価値基準を言語化できる人間が、AIを真にコントロールできるのだと思います。

柴山:そうですね。結局、AIは判断の提案はできても、その結果に対する責任は取ってくれません。責任をもって意思決定をすることが、人間に残された価値のある領域のひとつなのでしょう。我々も基盤を持つだけではなく、エージェンティックな広告代理店として、制御や評価といった人間が考えるべき部分をしっかり捉えて存在価値を高めていきたいと思います。

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提供:株式会社Hakuhodo DY ONE

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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AIdiver(エーアイダイバー)
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