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OpenClaw開発者ピーター・スタインバーガー氏が東京で語る「エージェント時代に大切なこと」

ClawCon Tokyo開催

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(左より)宮武徹郎氏/ピーター・スタインバーガー氏(Peter Steinberger)氏/デイブ・モーリン(Dave Morin)氏

 オープンソースのパーソナルAIフレームワーク「OpenClaw」を生み出したピーター・スタインバーガー氏(Peter Steinberger)氏が3月、東京で開催されたコミュニティイベント「ClawCon Tokyo」に初来日し、AIエージェントが日常のソフトウェア利用をどう変えるかを語った。「人とAIの主権」をミッションに掲げるOpenClawコミュニティが各国で開催するこの集まりは、大盛況となった。

ClawCon Tokyo

「10年前はアプリが全盛で、自分のスマートフォンにも大量のアプリが入っていた。でも今、気づいたら使わなくなっているものが多い。私のClawがやってくれるから、と思って」

 Steinberger氏が強調したのは、アプリというUIの概念そのものが揺らぎ始めているという変化だ。氏は以前から「アプリの約80%はエージェントに置き換えられる可能性がある」という見方を示しており、この夜も同じ方向性を改めて語った。加速要因としてiOS・Androidの自動化への対応強化やマルチプラットフォーム展開を挙げる一方、ソフトウェアがエージェントと協調する「エージェントフレンドリー」な設計を採用するかどうかが、次の世代で生き残る企業を分けるとした。

 こうした変化はすでにOpenClaw FoundationのDave Morin氏も体感しているという。全員が一つのClawを共有するかたちで始めたところ、一週間も経たないうちにメンバー全員が「自分専用のものが欲しい」と言い出し、その後「自分のとあなたのが会話できる状態にしたい」という要求へと発展した。「エージェントはすぐに複数必要になり、連携が問題になる」というのが現場の実感だ、とMorin氏は話した。

コーディングワークフローの変化が先行する、次は全産業へ

 AIエージェント活用の変化が最も顕著に現れているのは現時点ではソフトウェア開発の現場だが、両氏はそれが他の領域に波及するのは時間の問題とみる。

 Morin氏はAndrej Karpathy氏の言葉を引用しつつ、「コーディング作業のうち手動とオートコンプリートが80%・エージェントが20%だったのが、いまはエージェントが80%でタッチアップが20%まで逆転した」という変化に触れた。

 この転換を組織的に乗り越えるにあたってSteinberger氏が挙げたのは、管理職の経験から得た類推だ。部下に目標を与えたとき、自分が書いたのとまったく同じコードが返ってくるわけではない。そこで逐一口を出せば双方が消耗し、相手は離れていく。エージェントに対しても同じで、「完璧でなくても目標に近づけてくれればよい」という一定の受容が、活用の生産性を大きく左右するという見方だ。

 Morin氏もこれに呼応して、「新しいエージェントの立ち上げは採用に似ている。ジョブに合わせてパーソナリティを設計し、信頼を段階的に与えていく。最初から全データにアクセスさせない」という考え方を紹介した。

 イベント後半のQ&Aでは、エージェントが単なるツールを超えて「内的な生を持つ存在」として感じられるようになるには何が必要か、という問いが会場から出た。

 Steinberger氏は「最も必要なのは継続学習だ」と答えた。記憶機能はあるが、コンテキストウィンドウには限界がある。「エージェントが毎晩『夢を見る』ように──つまり自分の重みを更新して学習し、翌朝には少し成長して戻ってくる。人間も一日の記憶をすべて保持しているわけではないのと同様に、経験の蓄積が自然にその存在を変えていく」。そういうかたちで徐々にユーザーに近づいていくエージェントが実現すれば、今とは質的に異なる関係性が生まれると語った。

 Steinberger氏はイベント内で、この数週間で取り組んできたOpenClawの機能強化についても触れた。セキュリティ面の大幅な改善に加え、「プラグイン」機能の提供を開始したことが柱だ。

 従来のOpenClaw Hubではスキルのアップロードが中心だったが、新プラグイン機能によって開発者はコアリポジトリをフォークすることなく、独自のプラグインを維持しながらOpenClawを拡張できるようになった。企業や開発者が自社サービスとの連携をOpenClaw上で実現したい場合に、公式リポジトリへの依存を減らす設計を意図している。

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この記事の著者

京部康男(AIdiver編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineとAIdiverには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail ...

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