11月7日、ZOZO NEXTの研究開発組織「ZOZO研究所」は、同所研究員による「集合間Bregmanダイバージェンスと置換不変NNによるその学習」の研究が、人工知能学会(JSAI)が主催する「2025年度 人工知能学会全国大会(JSAI2025)」において、全国大会優秀賞を受賞したことを発表した。
研究内容
研究では集合データ間の距離を測る新たな尺度と、ニューラルネットワークを用いてその学習を実現するフレームワークの提案に向けて、以下3点の貢献をおこなったという。
- 集合間の新たな距離尺度の提案とその理論解析:連続空間におけるBregmanダイバージェンスをもとに集合版のBregmanダイバージェンスを考え、それが既存の尺度よりも高い表現能力をもつことを理論的に示した
- 提案した集合間距離尺度の学習フレームワークの開発:置換不変ニューラルネットワークを用いて、集合データから提案する距離尺度を学習するためのフレームワークを提案。これにより与えられた集合データがもつ特有の構造を柔軟に獲得できるようになった
- 数値実験による有効性の検証:手書き文字データセット(MNIST)や点群データセット(ModelNet40)を用いて、提案した集合間距離尺度とその学習フレームワークの有効性を確認。特に点群データの解析においては、提案法によりCPUのみで学習可能な程度のごく小規模なニューラルネットワークモデルでありながら最先端の深層学習モデルに匹敵する性能を実現した
同研究で使用したニューラルネットワークは小規模なものであり、その精緻化や大規模化によって、さらなる精度向上が見込まれという。また、同研究で提案された技術は、各種サービスの顧客体験の向上に寄与することが期待できるとのことだ。
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