マツダとプロティビティ、エージェント型AIを内部監査業務に活用するPoC開始

　2025年12月22日、プロティビティはマツダと協力し、Microsoft Azureの技術支援を受け、エージェント型AIを内部監査業務に活用する共同実証実験（PoC）を開始したと発表した。この実証実験は、「プロジェクトAAO（Agentic AI Orchestration）」と名付けられ、2026年5月末までの期間で実施される。

　本プロジェクトでは、AIエージェントが自律的に業務を遂行し、AI時代における内部監査のインフラや業務プロセス、リソースを検証・考察する。AIの活用を通じて、迅速かつ的確なリスク予測や戦略的・付加価値の高い提言が可能な内部監査機能の構築を目指し、企業価値の創造・保全・維持の能力向上に貢献することを狙う。

　昨今、内部監査部門では業務効率化を目的とした生成AIやAIエージェントの試験導入が始まっている。エージェント型AIは複数のAIが連携し自律的にタスクを遂行するもので、効率化だけでなく新たな価値創造が期待されている。プロティビティは今後2～3年で、従来の監査プロセスにAIエージェントを連携させる運用が一般化すると想定しており、さらにその先にはAIエージェントが自律的に監査を実行するシステムへの移行を見込んでいる。

　本PoCでは、Microsoft Azure上でAIエージェント群の開発と統合を進め、外部システムと連携したタスク自動化を図る。また、AIガバナンスの構築方針も検証し、社内外において必要なインフラや人材育成のロードマップも策定する。

　今後は、リアルタイムな内部監査の継続的保証や、エージェント型AIによる業務範囲の拡大、監査人の洞察力・戦略的思考の深化を目指していく。得られた知見や検証結果は、幅広い企業と共有し、日本の内部監査の高度化と価値向上に寄与していく方針である。