孫正義氏との運命の出会いから、ソフトバンク最年少本部長へ
押久保:今回のゲストは、ソフトバンクでAIの新規事業を担当されている平岡さんです。平岡さんは26歳という若さで、ソフトバンク最年少の本部長に就任されました。そのきっかけが、孫正義さんからの突然の連絡だったと伺っています。まずはそのユニークな経緯を含めた自己紹介をお願いします。
平岡:ありがとうございます。ソフトバンクのIT統括で生成AIの新規事業を担当している平岡です。もともとはスタートアップを立ち上げ、生成AIを社会に浸透させるソリューションを開発していました。
ある時、前職の公式LINEに「孫正義が会いたいと言っている」と問い合わせがありまして……。最初は正直「詐欺だ」と社員と話していたのですが(笑)、ドメインが本物だったのでお会いすることになり、結果としてソフトバンクに合流してより大きな規模で挑戦することになりました。
押久保:孫さんと実際にお会いした時の印象はいかがでしたか?
平岡:「つまらないプレゼンだと3秒で投げ捨てられる」など、スタートアップ界隈での都市伝説もあったのですが(笑)非常に楽観的でポジティブな方に感じました。特に今ホットなドメインや興味のある領域に関しては「とにかくトライしよう」という背中を押してくれる方です。
テクノロジーによる社会構造変革と「余白」を作るということ
押久保:平岡さんの発信で非常に印象的なのが「余白」という言葉です。生産性を上げることそのものが目的ではない、と仰っていますよね。
平岡:はい。僕の個人的なミッションは「技術から社会構造を変えて、人々の心に余白を作る」ことです。AIの社会実装はあくまで手段であり、目的は「ウェルビーイングの最大化」にあります。日本は諸外国に比べて、2000年のデジタル革命以降のホワイトカラーの生産性向上が遅れています。勤勉に働いているのに手取りが上がらない。その構造をAIで変えたいんです。

押久保:「手取りが増える」ことが「余白」に繋がると。
平岡:資本主義社会において、一定の相関はありますから。子供を留学に行かせたい、少し贅沢なホテルに泊まりたい。そうした小さな望みを我慢せずに叶えられる経済的な「余白」、そして時間的な「余白」を作りたい。生産性向上によって生まれた利益を、現場の従業員にしっかり還元する流れを作ることが、僕の役割だと思っています。
押久保:そのような価値観は、学生時代から持たれていたのですか?
平岡:1社目のスタートアップでの経験が大きいです。東京でハードワークし、お金は稼げるけれど心が豊かそうではない、あるいは鬱になってしまうメンバーを見てきました。一方で、以前いた京都のソーシャルベンチャーは社会貢献度は高いけれど時給100円のような極端な自己犠牲の世界でした。この両極端を見て、「持続可能にウェルビーイングが最大化されるベストミックス」を追求したいと考えるようになったんです。
