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AI×事務職の暗黙知が企業の強みに? 女性のキャリア復帰の分岐点。リアルな課題と解決の糸口を探る

【動画】AI時代に企業が採用すべき人物とは……

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子育てこそAIスキルのトレーニング キャリア断絶からの逆転

藤井:しかし、AIスキルを身につけたからといって、急にフロント側の業務を担うのは難しいはずです。

秋元:フロント業務に限らず、バックオフィスの上のレイヤーを目指すこともできます。自分がどの領域でステップアップしていくのかを考える必要はあるでしょう。どちらにせよ、自ら学ぶ力や今ある業務の課題を見つける力が大切であることは変わりません。

 私は、Women AI Initiative Japanで日本マイクロソフトと共同のリスキリングプログラムを監修していたことがあるのですが、参加者の多くはキャリアが長く、たとえば営業事務を20年やっている方もいました。業務の経験が長い方は、具体的な課題をしっかり理解しています。その営業事務の方は、プログラム中に提案資料の漏れ抜けを防ぐAIエージェントを作っていました。現場の課題が見えている人がAIスキルを身につけると、非常に大きな強みになります。

 しかし、その方自身は非正規雇用だったために、課題に合ったAIエージェントを作るスキルをもちながらも、実際の仕事ではAIツールにアクセスできないという壁がありました。「企業としてもったいない」と感じた瞬間です。

 特定の部署や顧客特有の情報を言語化してAIエージェントに連携できれば、他部署から異動してきたメンバーでもAIエージェントを通じて状況をすぐに理解し、即戦力になれるかもしれません。もしくは新入社員が業務を学びやすくなるかもしれません。これからのAIエージェント時代、現場の小さな暗黙知の積み重ねが本当に貴重なのです

藤井:女性特有のキャリアの断絶も課題の一つですよね。

秋元:出産があると、どうしても仕事をストップしなければならない時期があります。私も第一子を妊娠したとき、ちょうど海外派遣の話が上がっていたのですが、出産を優先しました。そこで一度退職をしたのですが、大きな不安が押し寄せましたね。特に仕事がIT系だったこともあり、働いていない1〜2年のうちに技術がどんどん進歩して、私はもはや仕事に復帰できないのではないかと悩みました

 私の場合は、ブログに挿入する画像を選ぶという小さな仕事から復帰しました。そこからできることを少しずつ増やしたり、過去の経験を活かした仕事ができないか働きかけたりして、今に至ります。スティーブ・ジョブズの言葉を借りるのならば「Connecting the dots」。事務職でも営業職でも技術職でも、過去の経験とAIの掛け合わせで強みが生まれます。この機会に、AIと対話をしながら次の一歩をどう踏み出すのか探すのもおすすめです。

 子育てをしていると、どうしてもPCに向き合う時間が少なります。子どもの病気や離乳食のことばかりでAIどころではないと思いますが、実は子育てとAIスキルは親和性が高いのです。たとえば小さな子どもに何か注意をするなど、日常が言語化のトレーニングとなっています。それがAIを使う上で非常に重要。AIは膨大な知識に基づいてアウトプットができますが、そのメリットを享受するにはユーザーの背景情報をAIに伝える必要があるからです。

藤井:AIを使うことで、結果的に家族と一緒に過ごす時間が増えるという考え方もできますね。

秋元:今後AIがさらに発展すると、1日8時間労働や残業が当たり前の状況が変わるかもしれません。より積極的に、短い時間で成果を出せるスキルを身につけていってほしい。空いた時間を、違うスキルを学んだり家族の時間を増やしたり、自分自身を豊かにするために使えるようになるのが理想ですね。私はコロンビアに2年、ブラジルに9年、計10年以上南米で過ごしたのですが、南米の方々が身近な人を大切にする姿を見てきました。その影響もあって、日本でも同じような生き方ができるとより良いのではないかと思っています。

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進化が速すぎるAI 活用は◯◯から始めるべし

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この記事の著者

藤井有生(AIdiver編集部)(フジイ ユウキ)

 1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。ウェブマガジン「ECzine」編集部を経て、「AIdiver」編集部へ。日系企業におけるAI活用の最前線、AI×ビジネスのトレンドを追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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