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「日本のITは危険すぎる状態」日本オラクル、フロンティアAIへの危機感と対策示す/事業戦略を発表

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昨年度も順調に事業を拡大 AIクラウドデータセンター事業へ本格着手

 日本オラクルは2026年7月7日、2027年度の事業戦略説明会を開催した。親会社である米オラクル・コーポレーションは、2026会計年度(FY26)に売上高約10.8兆円を達成。日本オラクルも「順調に業容を拡大してきた」と、取締役執行役社長の三澤智光氏は振り返る。オンプレミス事業の堅調さと、ハイパーグロースを続けるクラウド・SaaS事業が結実した形だ。

日本オラクル株式会社 取締役執行役社長 三澤智光氏
日本オラクル株式会社 取締役執行役社長 三澤智光氏

 また、同社は従来のソフトウェアやクラウドビジネスに加え、伸長率が高く市場ボリュームの大きい「AIクラウドデータセンター事業」へ本格的に着手している。三澤氏は「新たなキャッシュフローのエンジンを手に入れることで、従来の事業にも良い影響があると見ている」と期待の色を見せた。

 昨年度までも日本企業に対するAI関連の支援を行ってきた同社は、説明会とあわせて新たに厚生労働省への支援実績についても発表した。事例自体はRAGシステムの構築というシンプルなものだが、安全かつセキュア、そしてスケーラビリティのあるベクトル検索エンジンが求められる。そうした機能を日本オラクルが提供することで、膨大な過去の資料や文献の中から情報を探し出す作業時間の短縮を実現したという。

「このような地道な取り組みから、AI活用は進んでいくのではないか」(三澤氏)

フロンティアAIの脅威、急がれるセキュリティ対策

 日本オラクルでは、今年度から「AI Changes Everything AIの光を力に、信頼で加速する」というコーポレートメッセージを掲げる。背景にあるのが、AIの光と影。三澤氏は、影の要素の一つとして「フロンティアAIの脅威」を挙げた。「日本のITは危険すぎる状態」と警鐘を鳴らす。

 最先端のAIモデルによって、システムの脆弱性を発見するスピードや攻撃手段の開発スピードが劇的に速くなっている。この状況下、多くの日本企業はオンプレミス環境にネットワークやOS、ソフトウェアをパズルのように組み合わせたレガシーシステムを保持しており、その体制のままフロンティアAIに対応することは不可能に近いという。

「まずはクラウドシフトし、インフラストラクチャーだけでも最新にアップデートすること。その後にPaaS化を進め、守らなければならない部分から当社のようなベンダーにセキュリティ対策も委託できるようなシステム環境へ変えていかなければ。ここまでたどり着くまでのジャーニーを支援していきたい」(三澤氏)

 この状況から日本オラクルは、今までは四半期に1回のペースで行ってきたセキュリティパッチの提供を毎月1回に変更した。しかし、月次でセキュリティパッチを適用できる企業は現実的に見ると少ないため、企業のレジリエンスを高める体制作りの支援も強化していく。

 一方で、企業のAI活用の現在地としては、多くが「推奨」や「参照」のフェーズにとどまっている。今後、AIエージェントがデータに基づいて自らアクションするようになるだろう。三澤氏は「基幹系AIの時代が間違いなく始まる」と断言する。しかし、LLM(大規模言語モデル)だけでこうした環境が構築できるわけではない。コンテキストを整備するデータプラットフォームがなければ、アクションまでするAIエージェントにたどり着かないのだ。具体的には次のような要素が必須となる。

  • 業務データを含めた企業全体のコンテキスト
  • 企業ドメイン、プロセスやポリシーに関する専門知識
  • 一貫したメモリに基づいた、エージェントオーケストレーション
  • 安全に業務を実行し、多重防御のゼロトラストセキュリティ
  • ガバナンス、監査対応、説明可能性、人間による承認
  • オープンスタンダード技術、ほかシステムデータ連携
  • 高可用性、事業継続性、回復性、高パフォーマンス

「我々であれば、この複雑なデータプラットフォーム環境をワンストップ、かつ単一のデータベースシステムで実現できる。そうしたデータプラットフォームがなければ、アクションするAIエージェントに進化させることは難しいと、これから実証していく。優れたAIとデータプラットフォームを組み合わせることによって、AIの光の部分を実装し、日本そのものを強くしていきたい」

アプリケーションは「System of Record」から「System of Outcomes」へ

 アプリケーションのコンセプトも変化している。従来のコンセプトは「System of Record」だったが、コンテキストとAIを手に入れることで「System of Outcomes」、いわゆるビジネスそのものを実行する形態になるという。

 これに対して「オラクルがもともと持っている仕組みが強みになる」と三澤氏は強調した。その理由は、Oracle FusionおよびOracle NetSuiteが、シングルデータモデルでデザインされているからである。データモデルの中にリッチなコンテキスト、セキュリティ、ガバナンスの要件をそのまま内包し、さらにデータベースの機能をフルに活かすことで、データをビジネスオブジェクトとして保持できる。そのため、シングルデータモデルの中でAIをそのまま動かし、AIエージェント自体がデータを処理する実行系のモデルを構築できるという。

「外部にデータクラウドを構築してその上でAIを動かすアーキテクチャでは、推奨や参照フェーズのAIは動いても、基幹系・実行系のAIを動かすことはかなり難しい」(三澤氏)

 このアーキテクチャでは、ハイパースケールのインフラストラクチャと優れたデータプラットフォームの上に、System of Recordとしてのアプリケーションがある。元々あるコンテキストに加えて、アプリケーション自体が、目標とする成果や進行中のワークフロー、稼働中のAIエージェント、関与しているユーザーやチーム、次に実行すべきアクションなどのコンテキストを生み出し続けるために、さらに上のエージェンティックアプリケーションレイヤーがデザインできるというわけだ。この仕組みによって、すでにAIエージェントが自らアクションするエージェント・アプリケーションを計22種類リリースしている。

 なお、今年度から日本オラクルとしては建設や小売、金融、医療など各業界に特化したOracle Industry Applicationsに注力していく考えだ。横断的に使えるOracle FusionやOracle NetSuiteと組み合わせて、より積極的に提供していくとした。

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この記事の著者

AIdiver編集部(エーアイダイバーヘンシュウブ)

「AIdiver」(エーアイダイバー)は、株式会社翔泳社が運営する、企業およびビジネスパーソンのAIの利活用にフォーカスしたメディアです。経営、ビジネス、日々の業務をAIで変革したい「AIリーダー」の皆さまに役立つコンテンツを発信します。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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AIdiver(エーアイダイバー)
https://aidiver.jp/news/detail/633 2026/07/10 18:30

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