ビズリーチが描く「AIネイティブ組織」 2026年を変革の起点に
Gainsight 絹村悠氏(以下、絹村):今回の講演テーマは「既存顧客を起点としたAI時代の新たな競争戦略」です。ビズリーチでの実践をお聞きできればと思っています。
ビズリーチ 外山英幸氏(以下、外山):2年ほど前、米国の状況をかなりリサーチしていました。その中で、AIネイティブ組織にシフトしていかなければ、当社は業界で勝ち抜けないと感じたのです。そこで2026年2月に立ち上げたのが、AIネイティブな開発プロセスを実装する「AI Product Studio」という組織です。立ち上げにあたっては、私の構想に共感し、ともに変革に挑戦したいという気持ちをもつ優秀な人材を集めることにこだわりました。
当社にとって、既存のお客様に価値を届けるプロダクトの開発が最優先事項であり、それと並行して新たな取り組みを進めることは決して簡単なことではありません。それでも、未来に向けてより速く、かつより多くの価値を届けたいという考えに社内からの理解を得て、今の組織を作り上げています。
絹村:AIでプロセスを改善・変革するのではなく、「会社自体をもう一度AIネイティブに生まれ変わらせる」ということですよね。この「AIネイティブ」とは、具体的にどのような状態なのでしょうか。
外山:今、パソコンは当たり前のように使われていますよね。すべての業務がインターネットにつながり、パソコンがあることが前提となっているからです。AIも、インターネットの普及とほぼ等しい状況だと思っています。つまり、我々はAIネイティブ組織を「AIエージェントがある前提ですべての業務が生まれている状態」と定義しているのです。これは、組織論といっても過言ではありません。
外山:昨今、競争環境の変化は本当に激しい。そのため、「AI Product Studio」のスローガンは「Yesterday is Dead」です。昨日いいと思っていたものが、今日いいとは限らない。そのくらい変化の速さを実感しています。
2025年はまだLLMの機能が話題に上がることも多かったです。AIネイティブ組織の実現可能性が高まったのは、AIエージェントが主役になり始めた今年に入ってから。本当に実現すれば、これまでコストや時間がかかりすぎるために手が出せなかった取り組みに、少人数でも挑戦できるようになります。しかし、そのためには既存のやり方を手放す覚悟と全社的なコミットメントも求められると感じています。
2026年はあらゆる業界が動くタイミングだと捉えています。当社のAI変革も、今年中に形にしたいです。
