個人のAI活用も進む一方、組織の再設計はトップダウンが重要
絹村:AIネイティブなプロダクトやサービスに置き換えるうえで、組織変革も同時に進められていますが、その背景には何があるのでしょうか。
外山:BtoCであれば、プロダクト自体が一気に進化することで売上が上がる可能性がありますが、ビズリーチはBtoBビジネスが売上のかなりの比重を占めています。BtoBビジネスの場合、プロダクトをお客様に提供していく営業、お客様をサポートするカスタマーサクセスの業務が進化しなければ、いくらプロダクトが進化してもその良さを活かせません。だからこそ、先んじてこのビジネス組織を変えようとしているのです。
たとえば、ビズリーチのお客様は「求める人材をすぐに採用したい」と考えています。社内のキーパーソンから退職の相談があったその日に新たな人材とマッチングして、来週には応募者と会いたい。しかし今の仕組みだと、実際に企業がビズリーチのサービスを活用し始めてから最初の応募者に会うまでに、どうしても一定の準備期間やタイムラグが発生してしまいます。どれほどプロセスを洗練させても、構造的な限界が存在しているのです。ここをAIネイティブ化したい。
当社では全社員にGeminiを配布していて、週3回以上活用している人の割合は95%にのぼります。一方で、業務プロセスが従来のままでは、組織的な生産性向上の成果を最大化しきれないのも事実です。各工程で最適化された現在の分業体制が、これまでは合理的な選択でした。しかし、AIネイティブ組織に移行するには、既存の業務プロセス全体をお客様視点で見直す必要があります。
この部分は、実際に社内の構造を変える権限を持っている人がトップダウンで進めなければ実現が難しい。業務を取捨選択したうえで組織を変える。それはトップダウンでしか成し得ないため、私自身がビジネスサイドのトップと組んで進めています。
