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AIエージェントとの120日間~協働から見えた成功と失敗のリアル~

【営業編】受注率を上げるAIエージェント活用術 鍵は「どこに」導入するかの見極め力

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顧客のシグナルは人間だけでは拾えない どうAIエージェントを使う?

 商談中に役立つAIエージェントは、一気に完成したわけではありません。現場での運用や営業との対話を重ねながら、PDCAを回して少しずつ機能を拡張させてきました。

1. ヒアリングテンプレートの自動補完

 現在は、事前に設定しているヒアリングテンプレートに対して、商談中の発言内容をもとに自動で回答が埋まる仕組みを導入しています。営業は商談中、すべての項目を完璧に聞き取れているわけではありません。後から振り返ると「確認すべきだった項目」が見つかることもあります。

 そこで、AIエージェントが商談中の会話からヒアリング項目を自動補完することで、どこまで確認できたのか、どこが未取得なのかを明確にできます。これにより、新卒であってもベテランであっても、ヒアリング漏れを防ぐことが可能です。

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2. キーワード検知という“兆候の抽出”

 特に現場から高い評価を得ているのが、キーワード検知機能です。商談中に顧客からいわゆる「良い反応」が得られた場合、その商談はポジティブな兆候としてチーム内に共有されます。たとえば「来期の予算で検討したい」「他部署にも展開できそう」「既に競合比較に入っている」といった発言です。

 反対に、失注につながりかねない「NGワード」が出た場合には、マネージャーにアラートが通知されます。「今回は見送りたい」「予算が確保できない」「他社でほぼ決まりそう」などの発言です。

 これまでも商談動画は蓄積されていましたが、すべてをチームで見返すことは難しいのが現実でした。重要な兆候を見逃していても、後から気づく術がなかったのです。こうした背景から、キーワード検知により重要な商談を構造的に抽出できる仕組みを作りました。

 商談中のデータが構造化されることで、マネジメントの現場でも大きな変化が現れ始めています。従来の振り返りでは「この商談はどうだったか」「受注ができそうか」といった抽象的な問いから会話が始まることが多く、振り返りは担当者の感覚に依存しがちでした。もちろん、経験豊富な営業ほど言語化はできますが、それでも商談の全体像を正確に再現することは容易ではありません。

 商談同席AIエージェントを導入した現在は、「データがある」だけでなく、キーワード抽出によりどの商談から優先的に見るべきかがわかるようになりました。これまでマネージャーは、経験と勘に基づいて優先順位を判断せざるを得ませんでした。しかし現在は、キーワード検知やリスクアラートを起点に、優先度の高い商談を抽出できます。重要な兆候が出ている商談に集中し、リスクが検出された案件に早期介入する。マネージャーの時間の使い方が変わったのです。

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最大のメリットは“再現性” 営業を構造的に捉える

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この記事の著者

株式会社AI Shift AIエージェント事業部 チーフエバンジェリスト 及川信太郎(オイカワ シンタロウ)

新卒で株式会社サイバーエージェントに入社。AIコールセンター領域でチャットボット・ボイスボットのセールスリーダーを担当後、プロダクト設計およびCS業務を担う沖縄対話センターの責任者を経て、現在はAIエージェントの導入・活用推進をリード。約90,000人への生成AIリスキリングを講師としても提供。Xはこちら(https://x.com/cyber_oikawa

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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