AEO、GEO、LLMOを包括する概念「AIO」の定義
――今回は、前回の検索にまつわる対談を踏まえて、柴山さんに御社の捉え方と取り組みをお聞きします。
柴山:杉原さんとのディスカッション(第7回)では、検索は「探す」から「対話して答えを得る」ものになりつつあるというお話があり、深く納得しました。
――同感です。現在、検索の世界では「AEO(Answer Engine Optimization)」や「GEO(Generative Engine Optimization)」など、AI検索対応に関連する多様な言葉が飛び交っています。その中で、御社が提唱する「AIO(AI Optimization)」という言葉には、どのような意図が込められているのでしょうか?
柴山:おっしゃる通り、現在この領域には多くの専門用語が存在します。たとえば、LLM(大規模言語モデル)への最適化を指す「LLMO」や、生成AIエンジンへの最適化を指す「GEO」などですね。我々としては、これらはすべてAIエージェント型検索に対応するための「局所的な最適化」だと捉えています。
しかし、実際の企業のマーケティング活動においては、どこか一つの領域だけを対策すればいいわけではありません。AIエージェントが情報を収集し、整理し、ユーザーに回答を提示するまでのプロセス全体を、トータルで最適化していく必要があります。そのため、これらを包括してサポートする意図で、当社なりに「AIO(AI最適化)」と定義しました。
――従来のSEO(検索エンジン最適化)との違いは、どこにありますか?
柴山:基本的な仕組みは、SEOの延長線上にあると考えています。クローラーを回してWebサイトの情報をデータベース化し、そこから最適な情報を抽出して表示する、という流れは変わらないからです。
ただ、AI時代ならではの大きな変化は、Googleが単なる「リンクの陳列棚」から「コンテンツの制作者」へと変貌を遂げている点にあります。従来は、クリックを介していかに早く自社サイトへ送客するかが勝負でしたが、今後はAI検索などの回答の中で、いかに自社の情報が正しく、かつ深く多く引用されるかが重要になります。
滞在型プラットフォームへの移行と「顧客の質」の捉え方
――Googleの役割が、送客から「AIによる回答」へシフトすることで、ユーザーがWebサイトを訪れない「ゼロクリック」の問題が懸念されていますね。
柴山:はい。以前の検索は、ユーザーがほしい情報にたどり着くまでのスピードを競う「送客型」でした。しかしAI Overviewsの登場で、Googleは「検索結果画面の中でユーザーの課題を解決する」という、いわば「滞在型」のエンゲージメントプラットフォームへと移行しつつあります。AIが生成する回答自体が、Googleのコンテンツとしての責任を伴うようになっているのです。
――企業にとっては、Webサイトへの流入が減ってしまうという脅威はないのでしょうか?
柴山:確かに単純な流入数は変化するかもしれません。しかし、ここで考えるべきは「送客の質」です。単に「〇〇とは?」という定義を知りたいだけのユーザーは、AIの回答だけで満足して離脱します。ですが、そこから具体的に「比較・検討」し、「購入」へと至る熱量の高いユーザーは、AIの要約を読んだ後に元のソースや詳細ページへと遷移します。
つまり、購入につながりにくい薄いアクセスが減り、より検討段階の進んだユーザーが流入する構造に変わる。これは、事業会社にとって必ずしもマイナスだけではなく、よりユーザーフレンドリーな進化になると捉えることもできます。

