「AI検索でブランドは認知されるのか」という経営層の危機感
――半年ほど前と比較して、クライアントからの相談内容に変化はありますか?
柴山:劇的に変わりました。半年前はChatGPTやPerplexityの台頭を受け、「最新トレンドを学びたい」という勉強会的なニーズが主流でした。しかし、2025年5月にGoogleがAIモードの実装をアナウンスし、9月から提供を開始したことを受け、秋ごろから「具体的にどのような打ち手があるのか」という実戦的なコンサルティングの依頼が爆発的に増えています。
特に、非常に興味深いのは、今までのコンサルティングの依頼と比較すると、今回は圧倒的に経営層の方々の関与が増えていることです。
――なるほど、経営層が具体的に危機感を抱いている、と。
柴山:はい。「AIエージェント時代に、当社のブランドは正しく表示されるのか」「認知から消えてしまうのではないか」という、経営課題・事業リスクとしての相談が相次いでいます。同時に、大きな機会としても捉えられています。もはやAI最適化は、特定のマーケティング手法の一つではなく、企業の存続に関わる「ブランド資産の守り方」として認識されている。これは全業界共通のトレンドと言えます。

AIが読み解くデータベースの構築が重要
――では、具体的なAIOの最適化について伺います。AI Overviewsなどに自社の情報を採用してもらうには、何が必要なのでしょうか?
柴山:GoogleのAI Overviewsに関する我々の調査では、Google SEOで上位にあるサイトと、AI Overviewsで引用されるサイトには、強い正の相関があることが分かっています。つまりGoogleから評価されるサイト・コンテンツにしていくことが重要となるため、ユーザーファーストの視点を踏まえた「質の高いコンテンツを作る」という王道は変わりません。
ただし、AI特有の解釈、回答生成の傾向を考慮した、丁寧な作り込みが必要です。
たとえば、「POS」というキーワードに対し、従来のSEOでは特定の学習システムが上位に来ることがあっても、AIは「POSとはポイント・オブ・セールスの略である」という定義から考え始めます。
そのため、単にキーワードを詰め込むのではなく、そのサービスが「何であり(定義)」「どんな特徴があり(機能・メリット)」「どんな実績があるのか(導入事例)」という構造化された情報を、AIのクローラーが抽出しやすい「データベース」としてWebサイト上に用意しておく必要があります。
――たしかにAI Overviewsでは、その部分でしっかり理解を促す構成になっていますね。となると、広く浅くページを量産するより、一つのテーマを深掘りするイメージですか?
柴山:広く浅くか、もしくは狭く深くか、という一元論では整理が難しいです。AIは複数のソースをまとめてサマライズします。その際、自社の情報が定義の部分だけでなく、具体的な機能や価格といった深い階層でも参照されるように、不足しているコンテンツがないかをチェックし、肉付けしていく等の対応の検討が必要です。

