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AI実装、日本は米国に追いつける。「石橋を叩いて渡る」性格が強みに転じるワケ

Workato AIプロダクト責任者 Bhaskar Roy氏インタビュー

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技術的なPoCは経営が求めるものではない? なぜ沼にハマるのか。

──「最大のビジネス課題から始めよ」というのは、具体的にどういうことでしょうか。

Roy:私の経験上、現場担当者がPoCの成果を経営層に報告しても「これがビジネスにどう影響するのか?」と聞かれて終わってしまう。経営陣がそのPoCの価値を理解できず、「AIで本当に変革できる」という自信や信頼につながらないのです。そもそものPoCの考え方を変えることをおすすめします。たとえば、本質的なビジネス課題を明確にした上で、PoCに参加するベンダーに30~60日以内に解決できるか挑戦してもらってもいいでしょう。

 米国では、今や取締役会やCEOレベルで「AI活用」が最重要トピックとなっています。彼らが重視しているのはコスト削減か収益向上かの2点のみです。CEOが主導し、CIOやCAIOに推進を任せる形が標準になりつつある。そのため、PoCを設計する段階から、CEOや取締役会が「これは意味がある」といえる成果を狙わなければなりません。

──しかし、投資の合意形成が難しいという声を日本企業からよく聞きます。

Roy:まず、投資は避けられません。ただし、LLMのコストはリリースごとに急激に下がっており、すぐにコモディティ化されていくでしょう。本質的な投資が必要なのはインフラ層、つまりWorkatoのようなAIを使うためのアプリケーションレイヤーです。

 私たちは投資しない企業が遅れていく構造を「Kカーブ」と呼んでいます。AIに投資し続ける企業は成長し、実験を繰り返すだけで十分な投資をしない企業は徐々に他社に遅れを取っていくのは明確です。

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Roy:重要なのはROIを中期的な視点で捉えること。すぐに投資が回収できるわけではく、半年後・1年後に期待するリターンが得られるのです。実際、適切なインフラを整備した企業は2〜3ヵ月でリターンの兆しが見られています。今はコストにこだわるより、一歩踏み出すことのほうが重要でしょう。

──それでもプロジェクトが停滞する、もしくは失敗に終わるケースに共通した課題はありますか。

Roy:失敗する理由は 3つのギャップに集約されます。

 1つ目はコンテキストギャップです。AIエージェントを機能させるには、十分な文脈情報が必要です。たとえば「商品が壊れて届いたから返品したい」という問い合わせがあった場合で考えてみましょう。これをAIエージェントで解決するには、顧客情報、注文管理システムの履歴、配送状況、在庫情報、ERPによる現金照合、さらに返送ラベルの発行まで、複数システムをまたいで背景を把握しなければなりません。

 2つ目にアクションギャップが挙げられます。多くのAIチャットボットは質問に答えることはできますが、問題を「解決」してはいません。「このFAQを参照してください」と案内するだけでは意味がない。先ほどの返品の例であれば、AIエージェントが返送ラベルを送付し、注文管理システムで返金処理を実行し、財務システムの照合まで行う。複数のシステムで実際にアクションを起こせるかどうかが重要です。

 そして最後がガバナンスギャップ。ハルシネーションが起きても、誤った情報がシステムに書き込まれたり、権限のない操作が実行されたりしないように制御する必要があります。たとえば、ユーザーに更新権限がある場合だけ情報の変更を実行する、権限がなければ実行できないといったイメージです。これら3つのギャップを解消して初めて、スケールする準備が整います。

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AI実装は失敗ありき ではどうガバナンスを担保するのか?

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この記事の著者

藤井有生(AIdiver編集部)(フジイ ユウキ)

 1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。ウェブマガジン「ECzine」編集部を経て、「AIdiver」編集部へ。日系企業におけるAI活用の最前線、AI×ビジネスのトレンドを追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://aidiver.jp/article/detail/491 2026/05/07 08:00

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