2030年までに「40~80万人のIT人材が不足する」はずだった……
以前から一部では話題となっていた自律型ソフトウェアエンジニアの「Devin」だが、それを提供するCognition AIが2026年4月に満を持して日本法人を設立したことにより、今後はさらにエンタープライズでの導入を拡大していく見通しだ。
同社は2026年4月9日に、都内で大規模イベント「Cognition Merge: Tokyo(以下、Merge: Tokyo)」を開催したが、現地法人設立と同時にいきなりローカル版のフラッグシップイベントを開催するというのは、それだけ日本市場が重要なターゲットとして認識されていることの表れだろう。
Cognition AIの日本法人が設立される前から、Devinは一部のSIerやコンサルティング企業を通じて導入することができた。また、ソフトウェアエンジニアをはじめ一部ITユーザーの中では、2024年にこの製品がリリースされたときから、日本での本格展開を望む声がそれなりに広がっていた印象もある。
Merge: Tokyoの基調講演に登壇した共同創業者のラッセル・カプラン氏は、「世界全体におけるソフトウェアへの需要が、ソフトウェアエンジニアリング人材の数を大きく上回っている」との課題意識を共有した。そして日本では、特にこの問題が深刻だと指摘した。
「政府の推計によれば、2030年までに日本のIT人材は40~80万人が不足するとされています。この供給不足を解消しなければ、日本経済には年間12兆円以上の経済損失が生じる可能性があります」(カプラン氏)
また、大企業や伝統企業では、数十年前に構築されたようなシステムが運用されている。そのシステムを構築した当時の担当者は、既に会社を去っているというケースも珍しくない。今日のIT予算の大部分は、未来のための新たなテクノロジーではなく、こうしたレガシーシステムの「維持」に費やされている。カプラン氏は、この状況を「ソフトウェアの不作(欠乏)」と称する
