ソフトウェアエンジニアに未来はあるのか?
一つ気になるのは、「ソフトウェア開発の自動化(≒専門性のハードルの低下)が進んだ先に、ソフトウェアエンジニアの仕事はあるのか」という問題だ。これに対し、カプラン氏は「たしかに、開発だけをやるようなエンジニアは立場が危うくなりつつある」と前置きし、既に多くのエンジニアがコーディング・エージェントのマネージャー的な存在になりつつあるとの見方を示した。
つまり、ソフトウェアを作るのはAIだが、何を作るのか決めるのは人間ということだ。Cognition AIの内部でも、既にエンジニアは自分でコードをタイピングするようなことはしていないという。
この事実を踏まえ、カプラン氏はエンジニアに求められる重要なスキルを述べた。まずは、システムの全体像・アーキテクチャを捉え、考え、理解し、細部に踏み込む能力と意欲。次に、ITプロジェクト全体を複数のピースに分解し、それらを適切なエージェントへと並列して割り当てるデリゲーション(委譲)の能力だ。
また、コミュニケーションとユーザーへの共感力が一層重要になると同氏。AIによって一人ひとりがフルスタックの能力を獲得するため、これまでのようなエンジニア、プロダクトマネージャー、デザイナーといった役割ごとの境界が曖昧になっていくからだ。
そして最後に、個人の主体性と推進力が、エンジニアとしての優位性を左右するとカプラン氏は指摘した。これはつまり、何を作るか決め、それを最後までやり遂げる力である。
AIコーディングツール、いずれコモディティ化するのでは?
Claude CodeやGitHub Copilot、Cursorなどといった他のAIコーディングとよく比較されるDevinだが、先述した設計思想の違いに加え、こうした製品と直接的な競合関係にはないというのがCognition AIの立場だ。
もちろん、大枠の機能面ではコモディティ化が進んでいく部分も多いだろう。しかしカプラン氏は、「重要なのは『常に最先端を押し広げていくこと』であって、今どこにいるかに囚われるべきではない」との考えを述べた。これは、Devinを2024年に初めてリリースしたときに世界を驚かせた機能は、今やAIコーディングの世界では当たり前となっているが、「最新の機能は間違いなく最先端を走っている」という同氏の経験と自負から来るものだ。大切なのは、常に進化を続けていることである。
また、Devinは固有のAIモデルに縛られず、世の中に出ている様々なAIモデルをタスクごとに最適な形で組み合わせて使役する仕組みをとっている。このアプローチで独自性を確立している点も、カプラン氏はDevinの優位性としてアピールしている。
