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「AX Day(エーエックス・デイ)」は、翔泳社の「AIdiver(エーアイダイバー)」が開催するオンラインイベントです。表面的なAI活用の事例ではなく、事業成長にまで結びつく“AIトランスフォーメーション”の在り方を徹底深掘りします。

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AIdiver Press

「現場の生産性以上に “PLに効く” AI活用を」 各社がAXに取り組む中、見落としがちな観点

「INTLOOP Ventures MIX 2026」レポート

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 すでにAI活用率は一定ラインに達しているものの、経営にインパクトを与える成果が出ていない。2026年に入り、こうした声をよく聞くようになった。では、何が足りないのか。INTLOOP主催の「INTLOOP Ventures MIX 2026」で、伊藤忠テクノソリューションズ 執行役員 溝井英一氏、INTLOOP エグゼクティブストラテジスト 貫井清一郎氏らが、大企業が見落としがちな視点を語った。

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AXが進んだ企業・進まなかった企業、その違いは?

INTLOOP Strategy 東條貴志氏(以下、東條※モデレーター):昨年から、大手企業のAI導入率はかなり伸びています。その一方で、コンサルタントとして企業と話してみると、社内でAIが普及している、もしくは具体的な成果が出ているケースは2割程度にとどまっている。なぜ進まないのでしょうか。

 Anthropic CEOのダリオ・アモデイ氏も指摘していますが、AI自体はすさまじいスピードで進化しているものの、それを導入する人や組織が追いついていないのです。「AIを検索エンジンがわりに使う」フェーズでとまっているのでしょう。本質的な問いは、そこからどうAIのポテンシャルをどう引き出していくかですよね。

INTLOOP Strategy株式会社 Managing Director 東條貴志氏
INTLOOP Strategy株式会社 Managing Director 東條貴志氏

伊藤忠テクノソリューションズ 溝井英一氏(以下、溝井):当社が売上規模1,000億円以上の企業を対象に実施したアンケートでは、今年の4月時点でAIの導入率は9割に達していました。企業がAIに何を期待しているのかというと、1番は「業務効率化・自動化」。そして「コスト削減」「社内のナレッジ活用」がつづきます。しかし、顧客体験の向上や新規事業の開発といった分野では、大企業であってもAIを適用できているケースが2~3割程度でした。

 その要因には、3つの壁があると思っています。1つは、AIの価値が連鎖的に広がらないということ。社員個人のAI活用が進み、業務効率化がなされても、実はそれだけではROIにそこまで影響しません。AIを活用したことによって生まれた価値を、大きくしていくことが難しいのです。

 次に、自社のデータ資産をAIに反映できていない点。汎用的なデータだけをベースにAIを活用していても、極論、誰もが似たようなアウトプットしか出せなくなります。自社独自の意思決定、独自の価値、例外処理など、各社のコンテキストをAIに理解してもらわなければ。

 そして最後に、長期的視点で捉えられていないことです。AIに質問すればすぐに答えが出る。短期的に考えると便利ではあるのですが、活用を継続していかなければ効果を最大化できないといえます。また、積極的に活用すること自体は良いものの、セキュリティやガバナンスの制度が間に合っていない状況も珍しくなく、全社に活用を拡大できない企業も多いのが実態でしょう。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 執行役員 溝井英一氏
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 執行役員 溝井英一氏

東條:業務効率化からスタートして価値創造にフェーズを進める上で、経営と現場のギャップもあるのではないでしょうか。

溝井:当社が顧客と話した際、最初に出てくる言葉は一昨年なら「AIを使って何かやりたいと経営陣から言われる」「ユースケースを参考にして、とにかく導入したい」でした。「ROIは?」と聞く経営陣もいましたが、定量効果を出すことが難しく、担当者は二の足を踏んでいた。一方で、経営陣が「いいからとにかく使ってみよう」とメッセージを発信し、文化醸成のような定性面の効果を最初に狙った企業は、やはり前に進んでいます

INTLOOP 貫井清一郎氏(以下、貫井):このAIという領域において、使う側も提供する側も、もっとPL(損益計算書)を意識したほうが良いと思うんです。特に、売上高や売上原価、売上総利益などにメリットをもたらすAI活用をしていかなければならない。たとえば、売上原価を減らす、もしくは売上自体を増やす何かです。

 社内のAI活用も重要ではありますが、たとえば顧客に提供するプロダクトの価値をAIで上げるといった取り組みを優先すべきではないでしょうか。バックオフィスにAIを組み込んで成果を求められたとき、社員の残業が減るという点で意味はありますが、PL上では効果が見えないのです。

 サービスをデザインするもの、原価を下げるもの、仕損品を減らすもの、研究開発の期間を短くするもの……。こうした目的のAIだと経営側も受け入れやすいですし、効果も実感できます。

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AIコストが増加 内製と協業のバランスを見極めよ

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この記事の著者

藤井有生(AIdiver編集部)(フジイ ユウキ)

 1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。ウェブマガジン「ECzine」編集部を経て、「AIdiver」編集部へ。日系企業におけるAI活用の最前線、AI×ビジネスのトレンドを追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://aidiver.jp/article/detail/628 2026/07/22 08:00

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