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パナソニックはどのようにAIで「法務」の変革を目指すのか──活用ロードマップ・プレイブック・研究会の取り組み

LegalOn Technologies 主催「Legal AI Conference 2026」パナソニック ホールディングス講演レポート


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「自分たちなりの正解を導き出し続けられるチーム」を目指す

根橋氏の発表スライドより編集部作成 [画像クリックで拡大]

 パナソニック ホールディングスでは現在、カスケードダウン構造を実現する具体的施策を進めている。

 Step 1・2に該当するのが「部課長グループコーチング」だ。ホールディングス法務部門の部課長全員が参加し、「我々はどういう存在でありたいのか、どんな役割を担っているのか」について対話を重ねている。昨年9月以降、終日1回・半日3回のセッションに加え、インターバル期間にも少人数で複数回の議論を行う徹底ぶりだ。

 ここで根橋氏が重視するのは「共通言語化」ではなく「質感の共有」だという。キャッチフレーズを合意しても、イメージが各人でバラバラでは実質的に何も合意していないのと同じだ。表現や順番は人によって違ってもいい。どの人に聞いても同じ内容をそれぞれの言葉で説明できる状態を目指す。

 Step 3となるメンバーとの対話・合意では、「成長の支援と評価の仕組み化」を計画している。

 具体例を挙げよう。ある事業法務チームの課題が「事業部が決裁ギリギリに契約審査を依頼してくるため、十分なコメントができていない」ことだとする。そのチームに、事業部と良好な関係を築いているが事業理解がまだ浅いAさんがいる場合、Aさんの役割は事業部門と法務部門の架け橋になることだ。そのための成長行動として、事業部の基礎情報とリーガルリスクを自分の言葉でまとめた「事業部カルテ」の作成が設定される。

 期初の1対1面談(1on1)で役割と目標を合意し、期中はカルテの作成状況をフォローアップしながら、時間が取れない・事業部がヒアリングに応じてくれないなどの障害があればマネージャーが除去を支援する。期末の振り返りでは、仮に相談相手として成果が出なくてもカルテ作成という行動をしっかり行っていれば行動評価として認め、支援があったにもかかわらず行動が不足していればエビデンスに基づいて評価を下げる。「なすべきことに集中でき、なすべきことをなせば評価される」環境の仕組み化が狙いだ。

 さらに、マネージャーだけが育成責任を負う構造は不健全だとして、「メンバー間で失敗を共有し、挑戦を称え合う仕組み」も検討している。法務はうまくいって当然、問題が起きれば責められる性質の仕事だ。だからこそ、仲間内で挑戦を称え合い、成長を後押し合う文化が必要だという。

 最後に根橋氏は、ゴールよりもプロセスを大事にしたいと語った。「どんなチームにとっても正解と言える模範解答は存在しない。今日の正解が明日も正解とは限らない。AIの進化や社会の変化に応じて、自分たちなりの正解を導き出し続けられるプロセスがあることこそ本質的に重要だ」。

 自分たちの軸をしたたかに持ちながら変化にしなやかに対応し、成長し続ける組織になる──これが「AIは進化する、法務はどうだ」という問いへの、根橋氏なりの答えだと語った。

根橋氏の発表スライドより [画像クリックで拡大]

 本稿は、Legal AI Conference 2026(2026年1月28日開催、主催:LegalOn Technologies)における根橋弘之氏の講演内容をもとに構成した。

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この記事の著者

京部康男(AIdiver編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineとAIdiverには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail ...

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