「先に人数を決めて動かす」が無理なら、既存事業をAI変換
Q:AIによる効率化が進む一方、日本では雇用をすぐに削減できない。人材の再配置について、どのくらいの規模で、どのように進める想定か。他社へのアドバイスも含めて聞かせてほしい。
南場氏:計画の詳細はお伝えできないのですが、半分を動かすには数年かかると思っています。2026年度はまず、これだけ動かすという人数を決めてしまいました。2年後、3年後というプランもありますが、前倒しになるかもしれません。
私たちは比較的恵まれていて、入社時からいつか起業したいという思いを持った新卒が多いんです。社内での仕事も起業家そのものというか、新しいことをやっていくのが大好きなメンバーが集まっていますので、抵抗感がないんですね。
ただ、一般の日本企業では必ずしもそうではない会社もあると思います。そういう場合の1つの考え方として、既存の事業をそのままやりながら、その事業を完全にAIネイティブ化したらどうなるかという、AIネイティブへの変換版を作ってみる取り組みは面白いと思います。
AIで効率化できた分、仕事を詰め込んでしまうんですよね、日本人は。みんな真面目ですから。その傾向はうちだけではないと思うので、多少乱暴かもしれないけれども、大胆な意思決定で、この人員は新しい事業へシフトするんだという、目指す姿を先に作ってしまう。多少ヒーヒーいうところが出るかもしれないけれど、それがまたAI活用を加速することになると思います。
アメリカの西海岸には、日本とは桁が違うベロシティがある
Q:DeNAの社員を、サンフランシスコやシリコンバレーなどのアメリカ西海岸へ派遣しているという話が印象的だった。南場さんご自身は、どのくらいの頻度でアメリカ西海岸へ行っているのか。最近衝撃を受けたことがあれば教えてほしい。
南場氏:直近では1月末から2月上旬までいましたし、3月、4月も行きます。たまたまそうなっていますが、基本的には3ヵ月に1回は行くようにしています。ありがたいことに、3ヵ月に1回は必ず現れる人間として向こうでも定点観測ができてます。現地のベンチャーキャピタルや、勢いのあるスタートアップとも毎回会えます。
やはり西海岸の特徴は、世界の中でダントツにベロシティ(Velocity)、いわゆるスピードが速いことですね。プロダクトや事業において、トライして、ダメだったら次に行くというスピード感。もう、びゅんびゅんびゅんびゅん回している。日本のスタートアップも大企業よりは、はるかに速いのですが、それでも向こうのスピード感は桁が違うと感じます。それは、現地の空気を吸わないとわからないかもしれません。
もう1つ違うのは野心の大きさ。日本だと「大げさすぎる」「1人ではできない」と言われそうな、大きく産業を変えるようなことも向こうの人たちは平気で言う。そういう人でないと大きな資金が獲得できないんですよね。そういうカルチャーに触れることが大事だと思うので、当社でも特に新規事業系のスタッフはドンドン現地の空気に触れてもらっています。
