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「AIに遠慮はいらない」──すがけん流、経営者のためのClaude Cowork実践のススメ

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もし1年後にClaudeのAPIが10倍になったら?薄利多売モデルのリスク

押久保:先日「LLMは無慈悲」という話をあるセミナーで聞きました。Winner takes all.を狙っていると。

菅原:まさに。私も無慈悲だと思います。今は僕らが使える価格で提供してくれているけど、もっと付加価値の高いビジネスをやっている人たち向けに値段が上がっていく可能性は十分にあります。1年後に10倍の可能性もゼロじゃないでしょう。

 そこで重要になるのが「知の換金性」という発想です。たとえば苦労してMBAを取得した結果、給料がいくら上がりましたか。上がっていないなら、それは換金性が低いということです。一方、AIにノウハウを与えることで、2週間で500万稼げる。これは換金性が高いですよね。

押久保:薄利多売モデルだと、そもそもAPI利用料が払えなくなる可能性もありますね。

菅原:私は少なく作って高く売る、いわゆる「厚利少売(こうりしょうばい)」を提唱していますが、ますますそれが問われる時代になってくるのではないかと確信しています。

押久保:もうひとつ菅原さんは、過去のインタビューで「職能のリキッド化」ということをおっしゃっていましたよね。まさにClaudeによってそれが現実になっていく感じがしています。

菅原:確かに8年前に「会社という概念が緩やかに溶けていく。その結果、職能がリキッド化していく」という、話をしていました。会社という枠組みが緩やかに溶けていく中で、次は職能が溶けていく段階ですが、それをClaudeが後押しする形になりますね。

 Claudeを使いこなせば、一人何役も担うことができる。知識はClaudeのほうがあるので、人間には意思だけあればよいのです。余談ですが、当時は「アドバイザー」という職種をみかけませんでしたが、今はアドバイザーだらけになりましたね(笑)。

今ならファーストペンギンになれる。必要とされる人材であるために

押久保:最後に、これからAIを本気で使い始める経営者に向けたメッセージをお願いします。

菅原:3年後、5年後にどうなっているか、変化が早すぎて予測不可能です。そのため、今気づけるかが勝負だと思います。今から取り組めばまだファーストペンギンになれる。

 経営者と社員の在り方も劇的に変化するでしょう。日本人は就職するまでは勉強するが、就職した後は勉強しないという指摘を受けます。就活で燃え尽きて、就職できたら会社から求められる範囲での努力はするが、自発的に学ばないという姿勢では厳しい時代になっていくかもしれません。

 経営者観点だと、報酬アップやモチベーション向上を求める社員よりも、数万円で指示通りに休みなく働き続けてくれるClaudeの方が、よっぽど経営しやすい。日本は欧米と労働環境が異なるので個社ごとの判断にはなると思いますが、そういう現実はもう目の前に迫っていることだけは確かですね。

 ただ、変化はチャンスでもあるので、その現実を受け入れて行動していく人は、新たな機会を掴んでいくのではないでしょうか。これからも、意思あるビジネスパーソンや企業のお役に立てればと思っております。

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この記事の著者

押久保 剛(AIdiver編集部)(オシクボ タケシ)

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年にスタートの「MarkeZine」立ち上げに参画。2011年4月~2019年3月「MarkeZine」編集長、2019年9月~2023年3月「EnterpriseZine」編集長を務め、2023年4...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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