実践者がおすすめするAI時代を駆け抜けるための行動原則
押久保:本動画で紹介している『良い売上、悪い売上 「利益」を最大化し持続させるマーケティングの根幹』では、LTVや経営視点からマーケティングの構造を論理的に解説されています。この「経営とマーケティングの構造」を理解しておくことは、AI時代においてどのような意味を持ちますか?
西口:AIは、データ化できるものはすべて自動化します。そのとき、「経営でやるべきこと」「マーケティングでやるべきもの」の構造を理解しておかないと、AIが単なる「脅威」に見えてしまうでしょう。AIを使い倒すことで、より少ないインプットで大きな価値を生み出すための、構造的な理解が必要なのです。最も重要なのは、「良い売上」と「悪い売上」の区別です。
押久保:「良い売上」と「悪い売上」の区別が、なぜAI時代に重要になるのでしょうか?
西口:AIは、投入したリソース(お金、人件費など)を抑え、無駄を減らし、「利益を最大化」する方向に働きます。この資本主義の論理にAIがぴったりはまるため、企業は利益が出ない悪い売上(一過性や損失を生む売上)を排除し、長期的に利益を生み出す良い売上を作らざるを得なくなります。つまり、AIは経営とマーケティングを統合し、利益最適化を強制する存在となるのです。日本企業でも、この構造理解を持つことが、AI導入による資本効率の向上と、経営層との対話において不可欠になります。
押久保:AI活用の実践者として、今後はどのような動きが加速すると見ていますか?
西口:AIの進化は、人間の認知スピードや企業側の実装スピードよりも遥かに速いです。たとえば、AIエージェントが顧客とECサイトの間に入り込み、新しい顧客体験を創り出すなどの例が出てきています。しかし、ルール整備や企業への実装には時間がかかるため、なんだかんだで3年、5年は整備の時間がかかるのではないでしょうか。だからこそ、この初期段階で率先して行動し、AIを実装したビジネスパーソン、企業が市場を「総取り」をする可能性があると見ています。
押久保:最後に、AI時代に向けてプロジェクトやチームを推進していく方々、あるいは経営層の方々に向けて、改めてメッセージをいただけますか。
西口:はい。AIの進化がこれほど早い中で、皆さんにぜひ実践していただきたい行動が2つあります。
- 毎日30分、生成AIを使ってみる
- 自分の仕事を「手抜き」し、AIで置き換えられる部分を探すこと
AIの進化が早いということは、上司からアサインされる仕事やタスクが「間違っている可能性が高くなる」ということです。言われたことだけやって結果が出た時代は急激になくなり、自分自身で問う能力が必要になってくると思います。
言い換えれば「自分自身で仮説を立ててアクションをすることが、より重要な時代になった」ということです。自分で考えて行動し、AIができない「暗黙知」や「データ化されないノウハウ」を磨くという、根源的な問いを常に持つことが、AI時代を生きるプロフェッショナルには求められます。
押久保:AIの未来にはポジティブな部分もネガティブな部分もあると思いますが、結局は「行動しなきゃわからない」という本質があります。今日の西口さんのお話は、その行動を後押ししてくれる力強いメッセージだと感じました。本日はどうもありがとうございました。
