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【動画】なぜライオンは現場主導のAI推進にこだわる? 独自LLM・市民開発……二極化を打破する戦略

競争力を生み出すAIエージェント開発・活用術

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どこまで市民開発できる? リアルな現在地を明かす

藤井:そうした背景から、AIエージェントの開発人材の育成にも力を入れているそうですね。非エンジニアがAIエージェントを開発できるものなのでしょうか。

百合:私たちが「市民開発」に舵を切ったのは、実はエンジニア側の工数がボトルネックになってしまったという事情があります。ボトムアップでさまざまな部門からAIエージェントの相談を受けることが増え、当初は事例創出のためにIT部門も積極的にプロトタイプを作っていたのですが、エンジニア側の業務量が増大してしまったんです。

 現場からの開発要望にIT部門がすべて対応していては、スピードが追いつきません。そこで立ち上げたのが、1年間の研修を通じてトータル100名の「市民開発者」を育成するプロジェクトです。想像よりも使いこなしてくれる方がいて、良い事例も生まれています。

藤井:IT部門が作るよりも、現場主導のほうがスムーズに進む部分もあるのでしょうか。

百合:その通りですね。IT部門が相談を受けて開発すると、まず私たちが現場の業務を理解するところから始まります。なかなかスピードが上がりませんし、手をつけづらい側面もあります。その反面、業務を理解されている方なら、きちんとワークフローに落とし込みさえすればAIエージェントの開発ができるんです。より自分が求めているものを生み出せると思います。

藤井:これまでかかっていたコミュニケーション工数が削減できるということですね。とはいえ、技術的なハードルもありませんでしたか。

百合:特に、社内データを検索して回答精度を高める「RAG(検索拡張生成)」の仕組みの理解には苦労される方が多かったです。単に「生成AIに書類を全部読ませればいい」というわけではなく、必要な情報をどう検索させるかという技術的な仕組みを、研修の講義などを通じて丁寧にレクチャーしたことで、社員の理解も進みました。

藤井:AIエージェントの開発においては、どのくらいのレベルのスキルが求められるのでしょうか。

百合:実は研修の中では、開発の手前である業務課題の整理、生成AIを組み込んだ業務設計のスキルにもフォーカスしているんです。私たちは、高度な開発スキルを求めているわけではありません。自身の業務を理解して再設計できる、そして生成AIで検証できる人材を育てています。

藤井:市民開発者が増える一方で、AIエージェントの乱立やセキュリティへの懸念といった課題が生まれるのではないでしょうか。

百合:まずは乱立するぐらいAIエージェント開発をどんどん進めていきたいと思っています。一定の需要があるものからIT部門がサポートに入り、交通整理や安定化を行っていく予定です。セキュリティ面に関しては、開発人材の方々に実際にユーザーテストを行ってもらったり、「どこまでをAIに任せていいのか」を開発ツール上でも案内したりしています。

藤井:順調に開発人材の育成も進んでいるようですが、新たにチャレンジしたいことはありますか。最後に今後の展望を教えてください。

百合:現在は人間が対話を通じて生成AIを操作していますが、その先には人間が介入しなくても生成AIが自律的に判断してタスクをこなしていく「自律型AIエージェント」の活用が見えてくるでしょう。その実現にはまだ技術的ハードルが高いですが、今後乗り越えるべき課題だと認識しています。

 最近は、LION AI Chatの活用数も週に2万回を超えるほどに増えました。AIエージェントの開発人材も100人生まれています。さらに、2025年末には「社内生成AI大賞」も企画するなど、さまざまな部門での活用事例を収集しています。全社員の方々に生成AIとAIエージェントを広く活用してもらうことで、グループ全体により浸透させていきたいです。

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この記事の著者

藤井有生(AIdiver編集部)(フジイ ユウキ)

 1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。ウェブマガジン「ECzine」編集部を経て、「AIdiver」編集部へ。日系企業におけるAI活用の最前線、AI×ビジネスのトレンドを追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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