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なぜ三菱UFJはガバナンス最優先でもAIで攻め続けられるのか 経営層も情報収集に本気なワケ

AI×金融の最適解を探る──デジタル戦略統括部 島野浩平氏インタビュー

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鍵を握るのは“体制” ガバナンス最優先の中で見つけた最適解

 AI活用のスピードが求められる一方で、金融機関という公共性の高い組織において、コンプライアンスの遵守やガバナンスは譲れない。島野氏は「シャドーAIなどは許してはならないというスタンス」だと断言する。特に自律的に動くAIエージェントの活用に向け、現在はグループ全体でAIを管理する仕組みを作っている最中だ。最終的にはAIエージェントを管理するAIエージェントの開発も検討する。

 ガバナンスを担保した上でAI活用を推進するために重要となるのが、体制の工夫だという。三菱UFJフィナンシャル・グループでは、2025年にAI活用の推進とリスクガバナンスそれぞれのワーキングチームが同期して動く仕組みを構築した。従来のように開発が終わってから最後にチェックを受ける形では、スピードが失われる。また、土壇場での差し戻しリスクも大きい。現在の体制に変えたことで、アイデアが柔らかい段階ですぐにリスクガバナンスチームに相談ができるようになった。

「相談をすると、リスクガバナンスチームが論点を整理してくれます。この懸念点に対応するのであればこの製品が良いなど、アイデア段階でリスクをつぶしていける。守りと攻めの両輪を回せるのです」

 現在、グループ全体で約60、三菱UFJ銀行単体でも約30のAIプロジェクトが進行中だ。これらはAI推進とリスクガバナンスにデータマネジメントのワーキンググループを加えた3者で、毎週議論が重ねられている。

「たとえばAIエージェントに社内の暗黙知を学習させたい場合、データの専門家がメタデータの整理や収集方法を提案し、リスクガバナンス側がアクセス権限を整理します。この動きは縦割りの組織ではなかなか難しい。AIを経営戦略の核心に据えるなら、体制が鍵だと思います」

 トップダウンで体制を整え、現場の熱も上がってきた。将来的には創造的かつ信頼性のあるAI活用を目指すという。

「AI前提の社会になっても、最終的に人間が承認して決裁することは変わらないはずです。倫理観と世の中の情勢を踏まえた判断が求められます。そのための人を育成してきたことが今後の強みになるのではないでしょうか。お客様に不利益を出すことは絶対に避けたい。これまで培ってきた信頼を土台に進めていきます」

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この記事の著者

藤井有生(AIdiver編集部)(フジイ ユウキ)

 1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。ウェブマガジン「ECzine」編集部を経て、「AIdiver」編集部へ。日系企業におけるAI活用の最前線、AI×ビジネスのトレンドを追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://aidiver.jp/article/detail/323 2026/03/13 08:00

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