Snowflake合同会社は11月4日、米国時間11月3日に開催されたイベント「Snowflake Expedition 2026」で、AIエージェントの基盤にビジネスコンテキスト、セキュリティ、ガバナンスを組み込む新機能「Snowflake Business Ontology」と「Cortex AI Gateway」を発表した。いずれもSnowflake Horizon カタログの一部である。Business Ontologyは承認済みのビジネス定義に基づくAI応答を実現する。Cortex AI Gatewayは、エージェントによるモデルアクセス、ツール呼び出し、業務システムでのアクション実行を一元的に統制する。
Snowflake Business Ontologyは、Horizon カタログ内でガバナンスが適用されたビジネスコンテキストを管理する「Horizon Context」の新機能である。チームは「純収益」などの主要な概念について正式な定義を承認し、もととなるテーブルやビューに直接関連付けられる。これにより、あらゆるツールで定義を一貫して維持できる。AIエージェントに必要なコンテキストは3種類あり、それぞれ次の機能が担う。
- ビジネス用語の正式な意味:ビジネスオントロジー
- 計算方法:セマンティックビュー
- 明文化されていない業務知識:Cortex Senseが推論
Horizon Contextは、Tableau、Power BI、dbt、SQL Server、PostgreSQLなどのソースから、標準搭載のコネクタでスキーマやクエリログなどを収集する。データチーム向けコーディングエージェント「Snowflake CoCo」と、ナレッジワーカー向けパーソナルAIエージェント「Snowflake CoWork」は、承認済みの概念を応答の根拠とする。人間が承認した定義は、競合する推論より常に優先されるよう設計されている。
サードパーティのカタログやスプレッドシートで定義を管理している企業は、CoCoのガイドに沿った1回のセッションでSnowflakeに移行できる。すべての変更は記録されるため、定義の内容や承認者を監査時に参照できる。
Cortex AI Gatewayは、クラウド、フレームワーク、AIプロバイダーを横断して、エージェントの接続に共通のポリシーを適用する。エージェントがMCPサーバーを通じて行う呼び出しには、企業のアクセスポリシー、認証、権限が適用される。エージェントは、人間のユーザーに設定済みの制御をそのまま継承する。主な機能は次の通り。
- Cortex Sandboxes:企業データの近くでカスタムコードを実行できる安全な環境を提供する
- Agent Abuse Detection:エージェントの一連の実行過程を分析し、権限逸脱や承認手続きの回避、機密データの持ち出しを検知する。SnowflakeはOpenAIのPrivate Safety Processing(PSP)に技術設計パートナーとして協力した
- オブザーバビリティ機能、Agent Trace Intelligence:エージェントの活動を顧客自身のSnowflakeアカウントに記録し、ビジネスデータと組み合わせて分析できる
- Cortex Inference、Cortex AI Guardrails:Snowflakeのインフラ上で多様なモデルの推論を実行する。あわせて、プロンプトインジェクションなどへの実行時保護を適用する
- Cost governance、Dynamic Model Routing:AI関連の支出をユーザーやエージェント単位で把握し、上限を適用する。各リクエストはコスト、精度、レイテンシーに基づき承認済みモデルへ振り分けられる
- Cortex AI Gateway Tools:クラウド、SaaS、プライベートVPCを横断するツール呼び出しを、実行前に認証・検証する
GleanやKargoなどの企業はCortex AI Gatewayを活用している。dentsuやMerkleなどの企業は、Snowflake Business Ontologyを導入している。またUniphoreなどのパートナーは、自らがオーケストレーションするエージェントにCortex AI Gatewayの制御機能を拡張している。
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