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The AIdivers:変革者たち

執行役員のAIリテラシーをどう上げるか。組織を動かす難しさとfreeeが模索するCAIO像

全社AIネイティブ化の最適解を問う

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これから問われるAIの費用対効果 freeeが定める指標

 AIネイティブ化が進むにつれ、組織内のリソース配分も必然的に変わっていく。横路氏がまず見据えるのは、間接業務・管理業務の縮小だ。支払いや督促の管理、レベニューオペレーションといった定型業務は、AIへの移行が進むと見ている。その分「増やすべきは顧客と向き合う時間」と横路氏は強調する。

 その中で、AIによる費用対効果もより深く見ていくという。具体的には、成果に対してかかった人件費とAIトークンの費用について、ROI(投資利益率)がどう改善しているのかを追う。同時に、現在かかっている人件費がどの程度AIに置き換えられているかという数字も重要な指標だ。そうすると、結果的に「AIで任せられない仕事は何か」という議論になる。freeeでいえば「顧客対応」がその代表例だ。

「AIに任せられる業務はAIに任せ、反対にユーザーと直接対峙するような領域に人のリソースをシフトできているか。この流れを、管理会計と人事の動き、アサイン戦略を組み合わせて今後1~2年で整理しなければなりません。トレーニングプログラムやリスキリングも、その設計の中に含まれます」(横路氏)

 現場レベルでは、各チームに合った目標を細かく設定して、生産性の向上と顧客価値の創造に取り組んでいく。

「エンジニアであれば、この1年で自らコードを書かなくても品質が担保されたアウトプットを出せるようになってほしいですね。そのために立てた目標は、3ヵ月~半年スパンで見直しを行い成果につなげていきます」(横路氏)

AI変革を率いるリーダーの3ヵ条 組織文化まで変えるには……

 CAIOが変革の全過程のハブに座り、各機能をつなぎながら前に進める。これがfreeeの導き出した最適解だが、もちろん変革の方法は企業によって異なるだろう。ただし、それを率いるリーダーの共通項もあるはずだ。横路氏は取り組みの中で感じているAI時代のリーダーの条件を三つ挙げた。

 一つ目は、半年単位で解像度が高い仮説を持つこと。AIの進化スピードが速いことはいうまでもない。1年後にどのような変化が起こっているか、はっきりと述べられる人は少ないだろう。それでも、半年後に何が起きるかを自分なりに予測し、その前提で逆算して計画を立てて実行する能力が必要だという。

 二つ目は、議論より先に手を動かすことだ。世の中で何が起きているかを自分の感覚として身につけるには、実際に触れてみることに勝る方法はない。AnthropicやOpenAIの公式情報に加えて、それを開発している人、使っている人の発信まで追い続ける。息を吸うように情報をキャッチアップし続ける——その源泉は好奇心だと横路氏は語る。

 最後に、AIネイティブ化に対するポジティブな確信を持ち、それを組織に伝えられること。横路氏が特に強調する条件だ。

「AIのすさまじい進化を前に悲観論に陥りがちですが、AIに任せることでユーザーにより大きな価値を届けられると考える文化を醸成できるか。そして、現場に自信を与えられるか。リーダー層にはその能力が求められるのではないでしょうか」(横路氏)

 どのような形にせよ、AIネイティブ化が今後の企業経営の前提となることは疑いようがない。その変革をどう引っ張っていけるか。AI時代に重要なのは、知識や技術力以上に好奇心と行動力なのかもしれない。

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この記事の著者

藤井有生(AIdiver編集部)(フジイ ユウキ)

 1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。ウェブマガジン「ECzine」編集部を経て、「AIdiver」編集部へ。日系企業におけるAI活用の最前線、AI×ビジネスのトレンドを追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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AIdiver(エーアイダイバー)
https://aidiver.jp/article/detail/432 2026/04/08 08:00

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