生産性向上で残業が減る、では給料は……? 優秀な人材を確保する戦略
──そうなると、評価方法もまた変わりますよね。AIで生産性を上げたことによって残業時間が減ると、成果を出していても結果的に給料は減ってしまう。最適な評価とは何なのでしょうか。
大間:実は今回の評価から、AI活用に関する項目を設けることにしたのです。AIによって、どれだけ業務を越境できたか、組織に対してどのような影響を与えたか、具体的に書く欄を設けました。
重要なのは、AIを使ったかどうかよりも成果につなげられたかどうかです。結果的に組織に良いインパクトを与えて残業時間も減らせたという場合、社員の基本給をどう上げるかは非常に意識しています。少し前に「実質初任給を640万に引き上げる」と発表しましたが、成果を出している既存社員の基本給もさらに引き上げていくべきだと思っています。

──求められる人材が、徐々に変化している。そんな中で、「AIを使いこなして成果を上げる優秀な人材」をどう定義していますか。
大間:やはり、意志があるかどうかで差が生まれるのではないでしょうか。会社をこうしたい。私はこうありたい。そんな強い意思を持っている人材の採用を重視しています。
もちろん、AI前提に業務を組み換えていくスキルも重要です。とはいえ、このスキルは入社後でも身につけられるもの。これまでも意志がある人材の価値は高かったですが、今後はさらにニーズが高まるでしょう。
また、意志と似ているのですが、判断ができるかどうかも重要となります。AIを使えば合理的な判断はできますが、意思を持った非合理的な判断は難しい。しかし、非合理的な判断が成果に結びつくこともありますよね。前例はなくても、やりたい。その感覚を大切にすべきです。
現時点での当社の考えでは、AIが業務を代替することはできても、人自体を完全に代替することはやっぱりできない。AIの投資が増えれば増えるほど、意志のある人間がAIを使いこなして高い成果を上げていきます。
事業が成長しているのであれば、かかるコストが増える中でも社員の報酬水準を引き上げていかなければ。それは採用競争力を引き上げたいからであり、優秀な人材を増やしていきたいからです。そして彼らが、AIを活用してまた大きなインパクトを生み出し、会社がさらに成長していく。Sansanは、AIと人材のどちらにもしっかり投資をしていきます。
