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“なぜ”を聞かずに本音を引き出す ファクトファインディングで変わるAI時代の営業

【AI時代の売れる営業】『セールス・イズ/Sales is』著者が説くファクトファインディング

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 生成AIが提案書を量産し、顧客もAIを使って情報収集や意思決定を進める時代。「営業力」の意味が根本から問われている。そんな中、2026年5月に書籍『セールス・イズ2:ファクトファインディング』(扶桑社)を上梓したのが、営業支援会社セレブリックスのCMO・今井晶也氏だ。前作から約5年ぶりとなる続編に込めたメッセージとともに、AI時代を生き抜く営業の本質を聞いた。

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AIが量産する“レトルト提案”と、顧客側に起きた変化

宮田(SalesZine編集部):AIが作った提案書が営業現場で増えています。今井さんの目には、どう映っていますか。

セレブリックス 今井晶也氏(以下、今井):正直、がっかり体験は増えましたね。AI独特の文体ってあるじゃないですか。独特なキーワードの体言止め、ダブルクォーテーションがそのまま残っているなど……。そういうものを見た瞬間に、「テンプレで来たな」「うちへの提案熱量は高くないのかな」と感じてしまいます。

 それ以上に感じているのが、提案の均質化です。AIを使えばそれっぽい課題にはアクセスしやすくなる。でも、みんなが同じように「それらしい課題もどき」にたどり着くので、提案が横並びになってしまう。誰が食べても同じ味のレトルト食品みたいな提案が増えて、もらっても全然ワクワクしない。昔はダメな人はダメでも、良い人の提案にはキラリと光るキャッチコピーがあった。「この人は本気で考えてくれた」と伝わる購買体験が、明らかに減っています。

株式会社セレブリックス 取締役 執行役員 CMO 今井 晶也氏
営業ベストセラー『Sales is』シリーズ著者。セレブリックス営業総合研究所所長として、営業・購買・AI領域の研究と情報発信を行う

宮田:AIをうまく使える人と使えない人の差は、どこから来るのでしょうか。

今井:最近よく言っているのが、「美容院で髪型をうまくオーダーできる人がAIも使いこなせる」という話なんです。美容師に「良い感じにしてほしい」と伝えるだけだと、イメージとずれたものが仕上がってしまう。AIも同じで、ざっくりとした依頼では、自分が想定していたものと違うアウトプットが出てきます。

 逆に言うと、事前情報や想定イメージをどれだけ具体的に言語化して渡せるかで、精度が変わってくる。「絶壁気味なので後ろはパーマを強めに、丸みのあるシルエットにしてほしい」と伝えられるくらい、自分の状態と求めるものを言語化できる人が良いアウトプットを得られる。AIを使いこなす能力の差は、想像力と言語力の差なんです。情報や知識を持っていない人は、どれだけ便利なツールがあっても使いこなせません。

宮田:そして、売り手だけでなく、買い手の購買プロセスにも変化が起きていますよね。

今井:まさにお客様の購買プロセスにも、AIが入り込んできています。私自身CMOとして購買責任者でもあるので実感しているのですが、今は検索エンジンで上位を調べるよりも、AIに直接質問を投げてノンクリックで企業を選別することが当たり前になってきています。

 実際、セレブリックスでは問い合わせ時に「当社をどこで知りましたか」とアンケートを取っているのですが、今やその2割が「AIにおすすめされたから」という回答なんです。あと1〜2年したら3割、4割になるでしょう。AIフレンドリーでない企業は、商談機会すら生まれなくなる時代が近づいています。

 さらに、提案依頼書(RFP)の作成にもAIが使われるようになってきました。たとえば「営業研修のRFP評価チェックポイントを教えて」とAIに相談すると、AIはウェブ上の情報を参照しながら回答を作る。そのとき参照される企業のコンテンツが、評価軸そのものを左右してしまう。情報を豊富に持っている会社が、最終的な提案比較でも有利になる。営業パーソンの努力が届く前の段階で、勝負がついてしまいかねない世界です。

次のページ
ヒアリングとファクトファインディングの決定的な違い

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この記事の著者

宮田華江(ミヤタ ハナエ)

MarkeZine編集長 兼 SalesZine編集長。立教大学社会学部メディア社会学科卒業。2016年翔泳社に入社、MarkeZine・ECzineなどの広告営業を担当。2019年1月に営業組織をテクノロジーで支援するウェブマガジン「SalesZine」を立ち上げる。2020年4月、SalesZi...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://aidiver.jp/article/detail/592 2026/06/29 08:00

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