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「AX Day(エーエックス・デイ)」は、翔泳社の「AIdiver(エーアイダイバー)」が開催するオンラインイベントです。表面的なAI活用の事例ではなく、事業成長にまで結びつく“AIトランスフォーメーション”の在り方を徹底深掘りします。

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ログラスが見つけたAI推進の本質

日本企業の経営層へ。AI変革が進む企業の共通点 「活用せよ」の号令だけで組織が動かない理由とは

【第1回】ログラスのAI実装責任者が語る、実践からの気づき

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トップの失敗こそ発信すべき 自ら手を動かすと何が変わるか?

 背中で語るトップダウンの完成形は、方針に「自らの実践」がセットになった状態です。「今週、この業務をAIでやってみた」「この使い方は失敗だった」などと、社長が自分のAIの使い方を、自分の言葉で全社に発信する。この発信が続くと、組織の空気は目に見えて変わります。「社長が自らやっている。当社は本気なのだ」と、全員が理解するからです。

 ログラスでは、CEO(布川友也氏)自身がAIを使い、その実践を社外にまで発信しています。非エンジニアですが、自らClaude Codeを活用して、売上をリアルタイムで確認するダッシュボードの構築にも挑戦しています。

 重要なことは、成功談だけを発信しているわけではない点です。営業案件を自動レビューするAIを作って、うまくいかなかった顛末まで社外に明かしています。社長が自分の失敗を語れる企業で、現場が挑戦をためらう理由はありません。そして、この土台の上に施策を積み上げた成果が、数字として出ています。

  • 営業ロールプレイングのAI化で、新人の独り立ちまでの期間が約半分に。先輩営業の指導工数を月あたり数百時間規模で削減
  • トッププレイヤーの商談準備資料を誰もが使えるようにし、1商談あたり約2時間の準備時間を短縮
  • レビュー支援や顧客の優先度判断・調査業務で、年間約1,600時間の作業を圧縮

 この数字を生んだのは、特別な技術ではありません。トップが背中を見せ、現場が「使う理由」を持ち、その上にツールが乗った。このような企業は日本でいくつもあり、かなりの割合でAI浸透が進んでいます。

必ずしも“最新のAI”が最適解ではない

 ChatGPTかGeminiか、Claude CodeかCodexか……。この議論は、ここ2〜3年ずっと繰り返されています。半年ごとに「最適解」が入れ替わり、そのたびに乗り換えの議論が始まる。各時点での最適はたしかにありますが、それは状況次第で常に変わり、どれを選んでも成否は変わりません。繰り返しになりますが、AI変革の本質はAIツールの導入ではなく、組織に「行動変容の仕組み」を設計することだからです。

 試しに、直近の経営会議の議事録を見返してみてください。「どのAIツールを入れるか」という議論に何分使い、「社員の行動をどう変えるか」という議論に何分使ったか、なんとなく配分が分かるはずです。この時間配分が、そのまま自社のAI変革の成功確率をうつしています。

 ここで、経営層の方からよくいただく不安に答えておきます。「AIの進化が速すぎて、今投資しても半年で陳腐化するのではないか」というものです。この不安は、AIツールのアップデートとAI変革を切り分けると消えます。

 AIモデルもAIツールも、“1番”は半年で入れ替わります。一方、本当に必要とされる汎用的な機能は、OpenAIやAnthropic、Googleといったモデル提供側の大型アップデートが吸収していくのです。つまり、無理に最新のものを追いかけなくても、価値のあるAIが標準機能として自社に届きます。そして「組織の現状を可視化し、行動変容を設計し、段階的に浸透させる」という変革の本質は、AIツールが何に変わろうと揺らぎません。DXの型がAI変革(AX)にそのまま通用している。これが何よりの証拠です。

 ただし、「焦らなくていい」と「様子を見ていい」は、別の話です。行動変容は、AIツールの導入と違って時間がかかります。早く始めた企業との差は、後からでは埋めにくい。1つだけ、やめてはいけないことがあります。経営層自身が、自分の手でAIに触り続けること。これだけは、何にも代えられません。

次のページ
自社のフェーズが分かる“3つの問い”

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この記事の著者

株式会社ログラス(執筆:社長室 AI-Ops マネージャー/Cursorアンバサダー 荒木慎平)(アラキ シンペイ)

TOTOで製造業のDX推進・商品企画に従事し、freeeでPdMを経て現職。社長直下で全社のAI実装と定着をリードする。DX推進で培った「組織を動かす型」をAI変革に転用。「AIは"推進"するものではなく、全員で"運用"する〈AI-Ops〉」を掲げ、AI時代の業務設計と組織にAIを根づかせることを専...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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AIdiver(エーアイダイバー)
https://aidiver.jp/article/detail/615 2026/08/10 08:00

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